2年生 ページ39
・
毎度おなじみの……時が経つのは早いもので私たちは2年生になった。
1年で変わったことと言えば特に思い浮かばないが、任務を重ねていくうちに呪術師として仕事に対する気持ちが変わった。
御三家からのお見合い話は後を絶たないが、全て丁重に断っている。
ここまでは呪術師としての変化。
私が悩みを抱えているのは人間関係の変化である。
この1年で五条さんの私に対する態度がガラリと変わったのだ。
私と顔を合わせるなり優しく微笑み、任務で怪我をすれば異様なまでの心配を見せる。
口調もだいぶ丸くなり私は困惑している。
誰かが成り代わっているのではないかと本気で心配したこともあるのだ。
いい変化のはずだが私にとってはなんとも言い難い変化である。
そんな回想を繰り広げている間も、目の前に座る五条さんは上目遣いでこちらを見ている。
五「なぁ、ボーっとしてどうしたんだよ?」
『……いいえ。時が経つのは早いなぁ、と考えていただけです。』
五「ふーん。あのさ、この後暇?」
『特に予定はないです。何故ですか?』
五「デートしよ。」
『デート……ですか。』
五「いや?」
先程と同様、上目遣いでこちらを見つめる五条さんを見てたじろいでしまう。
『いいんですけど、デートではないですよね?』
五「細かいこと気にすんなよ。30分後にまたここに集合な。」
『分かりました。』
・
・
・
五「吐きそ……」
『吐かないでくださいね。』
スイパラでのスイーツ摂取し過ぎにより今にも吐きそうな五条さん。
『あんなに食べるからですよ。』
五「仕方ねーじゃん、美味そうだったんだから。」
『限度というものがあるでしょう。そこの公園のベンチで休みましょうか。』
公園のベンチに腰をかけると子供たちの楽しそうな声が耳に入る。
春の暖かさと心地よい風が相まって、今にも眠ってしまいそうだ。
五「……」
隣で座る五条さんはずっと無言のままだ。様子を伺おうと思ったが、突如肩に乗った重みによりそれは出来なくなってしまった。
『寝てるんですか?』
返ってくるのは規則正しい寝息だけ。
時折吹く風に五条さんの白髪が揺られ頬がくすぐったいが我慢する。
ズルッ
『あっ、』
重量に耐えられなくなったのか五条さんの頭がずり落ち、太ももへ移動する。
いわゆる膝枕状態だ。
557人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sou(プロフ) - 時々表示で出てくる糸()は夢主ちゃんの心の中で思っていることでしょうか??あとご都合呪術万歳です! (2022年2月27日 16時) (レス) @page45 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
Men(プロフ) - まりさん» 良かったです泣これからも作品を楽しんでいただけると嬉しいです! (2021年2月21日 21時) (レス) id: 9d36de4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - Menさん» いえいえ、お気になさらずっ!一人二役あるのでっ!! (2021年2月21日 21時) (レス) id: 59cbaf14eb (このIDを非表示/違反報告)
Men(プロフ) - まりさん» コメントありがとうございます!一応知ってはいたのですが、早見さんイメージで貫き通しちゃいました……。もし気になるようでしたらイメージCVの記載は消しますので…不快に思わせてしまったらごめんなさい泣 (2021年2月21日 21時) (レス) id: 9d36de4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - コメント失礼いたします!ご存知かもしれませんがイメージなされてる声優さん津美紀ちゃんの声優さんですっ… (2021年2月21日 21時) (レス) id: 59cbaf14eb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:めん | 作成日時:2021年2月16日 21時