五条悟は庵ちゃんが気に入らない

交流会編 ページ30

時間が経つのは早いものでAの件から3週間がたっていた。


明日はいよいよ交流会が開催される。



この3週間特に目立った動きはなかったが、御三家がAを欲しがっているという事実も変わらない。


悩みの種は日に日に大きくなるばかりである。





・







・



七「庵さん、明日の交流会はどうします？」



『え、？』



七「交流会ですし誰が来るか分かりません。庵さん目当てでこの学園に来る人もいる可能性だってある。」



『……私は、大丈夫ですよ。私そんなに弱くないんです。それに相手もいきなり強行突破はしてこないと思うんです。現に今、私がここにいることが理由です。』


七「……そうですね。誘拐とかは流石にないと思いますし。」


『そんな事よりお腹がすきました…灰原君もう2年の教室で待っているみたいですよ！』


七「では、行きましょうか。」



・









・




「直哉様、こちら庵Aの詳細になります」


『おおきに、さがってええよ。』



「失礼します」



女中が部屋を出ていくのを確認し、資料に目を落とす。


『へぇ……ずいぶんべっぴんさんやなぁ。』


禪院直哉が手にする1枚の写真には庵Aの任務時の姿が写っていた。


『ここまで情報を手に入れるのに苦労したって事は、邪魔が入った可能性がある。』


自身の立場を考えてみれば仕方の無いことではあった。


禪院家次期当主として最も有効であり、尚且つこのルックス。


庵Aを渡すまいと必死になっている者がいるのは明らかだった。


『こんな写真見せられたらはよ会いたくなるわ〜……これは本格的に嫁に迎える準備進めなあかんな。』



庵Aの写真を恍惚的な表情で見つめる禪院直哉の顔は、月明かりに照らされて怪しげに光っていた。

作者の独り言→←禪院直哉という男

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す