ハートのコックの航海日誌。【ONE PIECE】 (ページ2)

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プロローグというか何というかページ2

「貴方のお父さんは有名な海賊だったのよ」
ある日、私が生まれてすぐ亡くなったというなんとも残念な父親についてどんな人だったか母に聞いた。母は誇らしげにそう言って笑い、そして撃たれて死んだ。

原因は海兵による発砲ミスだったらしい。それを教えてくれたのは大柄な男性。
後に彼は海軍中将“ゲンコツのガープ“だったことが発覚するのだが初対面で「じいちゃんと呼べ！」と言われた私にとってじいちゃんはじいちゃんである。

「すまん、市民を守るはずの海軍が人の命を奪ってしまった…！」

ただの少女の私に頭を下げて謝ってくれた事が嬉しくて嬉しくて、母が亡くなったのはとても悲しいけれど、人間はいつか死ぬものだ、と彼女は常々言っていたのでじゃあしょうがないかな、と思っていた。

そんな一風変わった少女に罪滅ぼしとしてなのか自分の孫と一緒に暮らすように言ってくれたじいちゃんも大分変わり者だよな、と思うようになった今日この頃。

さらりと黒髪が揺れた。久しぶりの潮風に頬が緩む。

「フウー！島！島見えたぞ島！」

「上陸！する！？キャプテン！！」

「あぁ、上陸するから落ち着け」

「やっと買い出し行けるー！」

黄色い潜水艦の上で仲間とはしゃぐ彼女が、この物語の主人公。とりあえず彼女の過去を振り返ってみよう。