獅子達のワルツ【ブラッククローバー】

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「〈音魔法･鬨(とき)の声〉」

身体能力を底上げし突っ込んでいく名前に対し、

「〈氷魔法・凍てつく鎖〉！」

マシュは迎撃体制を整える。彼の魔法により名前は身動きを封じられるーかに見えたが、

「おっそい！！！」

槍で薙ぎ払われ、ぱりんと音を立てて崩れ落ちた氷の鎖。しかしそれすらも予想通りだと言うように不敵に笑うマシュ。

「最初っから、これが狙いでしたよ！〈氷魔法・吹雪鎌〉！！」

氷で作られた鎌を名前に向けて振り下ろそうとする。こちらを凝視したまま名前は動かない。決まった、とマシュが確信したその時、

「ッア“ア“ァァァァァァ！！！」

耳をつんざく甲高く不快な、そう、皆さんお馴染み黒板をチョークで引っ掻いた様な音を名前が叫んだ。

人体から発生したとはとても思えない暴力的なまでに凄まじいこの声を間近で聞いてしまったマシュは音波によって脳を揺らされ、軽い脳震盪になる。

意識が混濁してふらついているいるマシュの額にとん、と人差し指を突き、ふと『お姉ちゃんの顔』になるとゆっくりと諭すように語る。

「音魔法・哀れな敗者達の断末魔。動かないからって油断しちゃダメだよマシュ。相手が狙って動かない場合もあるんだからね」

「はい……」

この勝負、お姉ちゃんの勝ち。と得意そうに笑う名前。しかし次の瞬間彼女の脳天に手刀が落とされる。ものすごい音を立てて。

「痛！！何するのフェレオ…」

「お前は周りに気を配れと何度言ったら分かるのだ……」

恨みがましくジト目で睨むと呆れたような声が返ってくる。その声の通り周りを見渡すと、

「わぁお」

広がっていたのは地獄絵図。マシュの魔法によって凍てついた周囲の建物や木々と名前の魔法によって粉々に砕かれ原形を留めていないなにかが散乱していたりと凄い有様だ。爆音を聞き付けた団員がフエゴレオンを呼んだらしい。

その後姉弟揃ってこってり絞られ、マシュは帰って行った。まだ諦めないですからねー！と宣言して。


「フェレオ顔色悪いよ、どうしたの？」

「いや…(『姉さんに手を出したら……分かってますね？』なんて脅された(言われた)とか口が裂けても言えない)」


▽オリキャラのマシュ君です。シスコン。でも姉に引かれたくないので隠しています。姉には。
ヤミさんにマルクス二号ってあだ名をつけられている。

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