心の底から仕事してほしいと思った。 ページ14
魔法帝の補佐、というより3歳児のお世話を引き受けてから早一ヶ月。セタは、今までに無いくらい頭を悩ませていた。
今日は魔法騎士団団長との会食の日なのだが、魔法帝がいないのである。もう一度言う。魔法帝がいないのである。
主役がいない会食を誰が喜んで来ると思う。団長たちは魔法帝がそんなやつとは理解しているはずだが、つい一昨日も似たようなことをやらかしたばかりだ。流石に怒るだろう。ノゼルさんは確実にキレる。溶かされるかもしれない。そしてマルクスくんの胃に穴が開いてしまう。今も顔色が悪い。
これはまずい、非常にまずいぞ、と思ったセタは、ある決断をする。魔法帝を捜しに行くのだ。
これを渋っていたのは理由がある。一つは、見つからなかったときはどうしようもないこと。もう一つは、魔法帝がよく行くのは闇市場等の危ない場所であって、そこに行ったのがバレたら団長やユノにめちゃくちゃ心配されるかもしれない。
いや、心配されるだけならまだ良い。確実にユノの場合は長時間説教が待っている。それだけは避けたい。怖いし。
「…行くか」
マルクスくんにこの場を託し、空へ飛び立つ。魔法帝は案外すぐに見つかった。珍しくその辺の市場を歩いていたようだ。急降下して一般人に紛れていた魔法帝の首根っこを掴み、また上昇する。
城までは１分で着く。そして会食が始まるのは5分後。ギリギリ間に合う。セタは安堵のため息をつく。
「魔法帝、今日のご予定は把握していましたか？」
「え、今日？何かあったっけ」
「…団長達との会食及び会議です。今から５分後に」
これが終わったら自由時間を差し上げようと思っていました、と呆れた表情のセタに魔法帝は顔色を無くす。
「ですが予定変更です。今日は書類仕事しましょう。自由時間はマルクスくんにあげます」
宜しいですか？と確認をするセタの目は笑っていない。そんな恐ろしい部下の様子に、魔法帝は思わず「はい…」と敬語を使わざるを得なかった。
「マルクスくんに休憩時間のプレゼント！今から３時間好きにしていいですよ！！」
「ありがとう！…魔法帝に自業自得だって言っておいてくれ」
獅子というより威勢の良い猫のような。→←星が授与されました！お礼の番外編！【リクエスト】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 145人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユナイテッド - リクエストです。ユリウス様のカッコいい一面がみたいです！あと、激甘で！ (2019年2月26日 15時) (
レス) id: dde7d1d0e3 (このIDを非表示/違反報告)
なてぃ(プロフ) - スイカさん» 了解しました！気長にお待ち頂けるとありがたいです… (2018年11月20日 17時) (レス) id: 69e5ebb9f9 (このIDを非表示/違反報告)
スイカ - リクエストしたいです!ランギルスデートで、お願いします(>_<) (2018年11月20日 16時) (レス) id: ef7c238cbc (このIDを非表示/違反報告)
なてぃ(プロフ) - ルーさん» 了解しました！頑張ります！ (2018年11月11日 23時) (レス) id: 69e5ebb9f9 (このIDを非表示/違反報告)
ルー(プロフ) - ワンピース？やったー！！読みたいでっす！！私はペロスペローさんが大好きなので、彼推しでお願いします (2018年11月11日 22時) (レス) id: bdc5cefa28 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なてぃ | 作成日時：2018年10月1日 15時
