泡沫。 (ページ1)

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出会いというのは、いつだって突然だ。

高校に入学してすぐ。人見知りの私はなかなか馴染めなかった。同じ中学からこの高校に仲の良い子は進学せず、不安でいっぱいだった。

けど、みんなも同じ条件なのだからと思っていたのだが、みんなはあっという間にグループができていて、気づけば私はそれを眺めることしかできなかった。

誰とも話せないわけではない。体育のグループで仲間外れになることもない。けれど、グループに入っていくことはできなかった。

こうして迎えた初めての席替え。新しく関わりができて、友達もできないかな、なんて淡い期待を抱いていた。

だが、私の席は一番端の列の一番後ろだった。これって一番友達できにくいやつ、？なんてショックを受けていた。

しかも一つ前の席の女の子は席が決まったと同時に別の子の元へ行ってしまい、ふと隣を見ると、入学当初からかっこいいとみんなの注目を浴びている永瀬廉くんだった。

「………なに？」

「あ、えっと、…よろしく、ね。」

それだけ話すと、永瀬くんは再びスマホをいじりだした。

永瀬くんは人を誰も寄せ付けないオーラを放っていて、勇気を出して寄ってきた人もみんな冷たくあしらい、本当に孤立しているような人だった。

誰がどう見ても整っている顔をしているのに、性格が最悪だという噂が有名だ。

私、友達できないや………。

入学して初めての席替えで、完全に諦めがついた。

「………なあ。」

「………。」

「無視するん。」

「え、私？」

「以外に誰がおるねん。」

「なんでしょう、か。」

「よろしく。」

「え？」

「さっき言い忘れたから。」

それだけ言うと、永瀬くんは席を立ち教室を出て行った。

悪い人、ではなさそう？

それが永瀬廉くんに対する第一印象だった。