67話 絶望と、憎悪と ページ32
後ろには警官もだれ1人おらず
どうやら私が脱走したことはバレていないらしい
どう考えてもおかしいのだ。
こんなにあっさり見つかるのか
今までお父さんに姿を見せなかったストーカーが
こんなにも、早く
家を飛び出してから数時間経つ
そろそろ家に帰ろうと思った時だった。
ドォオオオオオオン！！！！
爆発音がした
私の、家の方。
「まさか…」
頭の曲がり角までくる
きっと、これを曲がればいつもの家が
あるはず
「火事だ！！！」
「くそ！煙で中が見えない！敵は塚内さんが逮捕しに行ったんじゃ！？」
「オールマイトを呼んでこい！」
これは現実。
炎が上がっているのは私の家だ。
「あ、君はAちゃんじゃないか！外に出てたのか！とりあえず、君は警察が保護するから！
って、ちょっと！？」
警察の人の声も聞かずに、私は家の中に入った。
リビングに入れば
赤い海が広がっていて
そのそばには、USJ時間の時にいた男と、ワープゲート、そして、
「そいつは、脳無？」
「やぁ、光谷。USJ以来かなぁ？
ごめんなぁ、お前の母さん殺しちゃったよ。
弟はもらうからさ！！
あとはお父さんと仲良く家族喧嘩でもしてなよ？」
そう言った男、いや死柄木はワープで移動しようとする
「まて！！！！よくも母さんを！！！！！
聡太を返せ！！！」
私が叫べば、死柄木がこちらへ寄ってくる
「あぁ、可哀想になぁ。だぁれも助けに来ないんだから。
オールマイト、来ないなぁ？なにが平和の象徴だ。そう思わない？
君を助けてくれる人は、だれもいないんだよ。」
私の頬に4本指で触れたあと、そいつは消えた。
「キャキャキャキャ！！！！！」
私の父だというこの怪物。
手には血
そして、
履いているズボンに、
私が幼い頃あげたストラップが付いていた。
「本当に、お父さんなの？」
全ての情報を頭の中で整理した私は
その残酷さと、敵の卑劣さに頭がオーバーヒートした
そのあとのことは、なにも覚えていない。
ただ名前のつけようのないこの憎悪に、抑えきれない感情が私を支配した
68話 オールマイトside→←66話 迫りくる悪 ？？？side
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作者名：rizu | 作成日時：2020年3月21日 1時
