59話 帰宅 ページ24
切島君と別れ、爆豪君が両手に荷物を持ちながら私をおぶるという軽いトレーニング状態になってしまった。
「爆豪君、眠い。」
「寝ろや。」
「えー。悪いなぁ」
彼の背中が心地良くて、そして同時に、
爆豪君に背負われていることに幸福感を覚えて
彼の照れた顔をみたら胸がキュっとなるし
乱暴だけど優しいとこに、なんだか
気を許してる自分もいるし
彼といると、甘えてしまう私もいる
これがなんなのか、私は知らない
今日を振り返りながら、私は眠りについてしまった。
爆豪 side
背中から聞こえる寝息
「本当に寝やがったなこいつ。」
俺の気も知らずによくもまぁ…
こいつの家に着き、インターフォンを押すとすぐに
母親が出てきた
「あら！爆豪くん！おぶってきてくれたのね！
ちょっと悪いんだけど、Aの部屋まで運んでくれるかしら？」
「いいっすよ。」
「じゃあ荷物持つわよ！あと、またご飯食べて行かない？聡太も喜ぶわよ！」
「じゃあ、お言葉に甘えます」
家に入り、案内してもらった部屋に入る
「ベッドに寝かしといてくれれば良いわよ。
お腹空いたらきっと起きるわ！
迷惑をかけてごめんね。」
「いえ。コイツ、朝はどうでしたか？」
「顔が赤かったから、熱を測りなさいって言ったんだけど、日焼けだからって言って聞かなかったのよ」
「まあAは風邪を滅多にひかないからね。
母さんも無意識に納得したんだと思うよ。」
俺の背後から男の声が聞こえ、
振り返るとそこには
俳優の光谷清成がいた。
「君が爆豪勝己くんだね。私はあの子の父だ。娘がお世話になったね。」
「いえ、むしろ最後まで戦わせてしまってすみません」
「妻から君のことは聞いててね。どうかAのこと頼むよ。
俺は家になかなか帰れないから、家族を守ってやれない。」
「…まあ、最善は尽くしますよ。」
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作者名：rizu | 作成日時：2020年3月21日 1時
