もし女神でないのなら [2] (ページ14)

今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:8,717 hit

50話　左の過去ページ14

緑谷君対轟君の試合が始まった。

初日から思ってたけど、左の炎は使わないんだなぁ

「ねえ見てAちゃん！デクくんと轟君、何か言い合ってるよ！」

「なんだろうね。緑谷君が何かを説得してるように見えるけど。」

轟君が氷の大胆攻撃、そして緑谷君が自傷覚悟の超パワー

さきほどからそれの繰り返し

「緑谷…あんなボロボロでも攻撃するなんて…」

「見てるこっちがいたいよ…」

確かに単純に見れば、ただただ氷を壊したくて馬鹿みたいに攻撃を繰り返してるように見えるけど

先程の説得するような仕草

今までよりさらにボロボロになった体

そして、戦い前の轟君の「左を使わずにお前に勝つ」
宣言

もしかして…

「轟君を、救おうとしてるのかも…？」

「？どういうことだい？光谷くん。」

「いや、轟君って、左を使わないでしょ？
その理由が関係あると思うんだけど、

やけに氷だけで戦おうとするの。

緑谷君は、その理由を知っていて、彼の心を救うために今あんなに全力で戦っているんじゃないかと思って。」

「…そうだとしたら、なんだか緑谷君らしいな！」

「どうして？」

「緑谷君はああ見えて、遠慮なく突っ走るだろう？」

入試の時もすごかったらしいし、

何よりUSJの時の躊躇いのなさ

確かに、彼はなにに向けても突っ走る

「あつっ！！！！」

会場が熱気に包まれ、驚いてステージを見てみると

笑を浮かべた轟くんが、炎を使っていた

「(緑谷君、君は_____)」

同じように、薄ら笑を浮かべる緑谷君

君は、自分のためじゃなくて、

人を救うために戦ったんだね。

試合結果は轟君の勝利

予想通りと言ったけど、

見事に私は、緑谷君に感化されてしまった

次の次が試合のため、控え室にいく

「おいA。」

爆豪君に呼び止められた私は、後ろを振り返った

「…俺が言ったこと、覚えてるだろうな。」

『お前を倒すのは俺だ。』

「もちろん。」

爆豪君はニヤッと笑って口パクで「行け」と言ってきた

控え室まで私は走って行った

熱のせいか、いやきっと照れてるせいでもある

「あー、クラクラするー」

「お前らまじなに？付き合ってないのかよあれで」

「あ？？ふっざけんなクソ髪ぃいい！！！」

「(すっげー悔しそうな顔)」