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「え、A、ちゃん？」
私の声に、顔を上げた竜生くん。
その顔は、相変わらずかっこよかった。
ちゃんと私の知っている竜生くんがいて、安心した。
が、
「………なんの用？」
安心したのも束の間、すぐに私の知らない竜生くんになってしまった。
けど、ちゃんと話すんだ。
そう決めたから。
『学校。何で来ないの？』
「別に。あんなとこ行っても意味ないし、行かなくたって生きていけるし。」
『そうちゃんも安嶋くんも黒田くんも、みんな待ってるよ。』
「………それだけ？用ないなら帰りますけど。」
『違う。竜生くん、何で私たち別れたの？私、納得してない。それに、私は竜生くんのどんな過去でも受け入れるよ。』
「あんたに、受け入れられるわけねえじゃん。俺、この前の傷見たらわかると思いますけど、殴られたし殴りました。俺はそーゆう人間です。」
そう、冷たい目で言った竜生くん。
竜生くんなのに、竜生くんじゃない。
全てが投げやり、そんな風に見えた。
私はそんな彼に、何も言えなかった。
「それだけ？俺用あるから。今までありがとうございました。」
行ってしまう。
このままじゃ竜生くんに会えなくなる。
そう思うと、私は彼の腕を掴んでいた。
『待って！』
「っ、なに？」
『本当にそれでいいの？私は嫌。私は竜生くんが好き！ねえ、お願い、竜生くん！』
すると、彼が振り返った。
そして、
『え。』
唇に何かが触れた。
あまりにも一瞬の出来事だった。
そして、気づいた時には彼はいなかった。
この日を最後に、竜生くんに会うことはなかった。
そして後日、深田竜生は学校を退学したという話を聞いた。
いくら探しても、いくら連絡をしても見つかることはなかった。
竜生くんは消えた。
私のファーストキスを奪った大好きだった人、深田竜生は、消えた。
.
移行します！
First Kiss
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ひな(プロフ) - 花恋さん» コメントありがとうございます！これからも更新していく予定ですので、よろしくお願い致します！ (2021年1月26日 23時) (
レス) id: d564912068 (このIDを非表示/違反報告)
花恋(プロフ) - とても素敵な作品ですので、更新待ってます！ (2021年1月25日 21時) (レス) id: 1e99b1c869 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひな | 作成日時：2021年1月24日 23時
