僕たちを忘れていく君に。2 (ページ31)

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Story.79 ページ31

滝沢「美空、なんだ？」

Aは一呼吸した後、

「………実は私、病気が発覚しました。」

そう、口を開いた。

さすがに少しは緊張しとるようやったけど、それでも堂々としとった。

ほんまに、関西ジャニーズJr.のリーダーやわ。

滝沢「えっ、病気？なんの？」

驚き、というよりは信じられない様子の滝沢くんやった。

「若年性アルツハイマー病、ってご存知ですか？」

滝沢「若年性アルツハイマー病って、あの、記憶がなくなっていくっていう。えっ、美空まさか、」

「はい。正確には、若年性アルツハイマー病の前段階のMCI(軽度認知障害)という病気なんですけど、いつアルツハイマーに進行してもおかしくない状態です。」

滝沢「………。」

滝沢くんは、なにか考えとる様子やった。

そして、

滝沢「………わかった。教えてくれてありがとう。で、美空はどうしたい？」

「えっ、どうって、」

滝沢「その話がしたくて来たんじゃないのか？」

そして、Aは、

「私はお仕事を続けたいです。確かに、病気は進行してします。仕事のことを忘れてまうし、振り覚えも歌詞を覚えることも難しいです。一人で行動することすら危険な状態です。けど、そんな私でもできるお仕事もあると思うんです。」

そう、はっきりと言った。

そんなAに大吾くんが、

西畑「僕たちで精一杯サポートします。やから、Aにお仕事を続けさせていただけませんか？」

「「「お願いします！」」」