僕たちを忘れていく君に。2 (ページ21)

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Story.69 ページ21

長尾「Aちゃん！」

「謙杜。おはよ。」

大好きで、尊敬してる先輩でありメンバー、そんなAちゃんの病気が発覚した。

病名は若年性アルツハイマー病の前段階、MCI(軽度認知障害)。

そのうち、自分が誰かすらわからんくなる病気。

長尾「おはようございます！行きましょ！」

Aちゃんは病気が発覚してから変わってしまったと僕は思っとる。

笑ってはくれるけど、前みたいには笑ってくれんくなった。

やっぱり、受け入れられんのやろう。

「ほんまに朝からテンション高いわ、笑」

やから、どんな些細なことでもええからAちゃんが笑ってくれると嬉しい。

長尾「今日は雑誌の撮影ですねー。」

こうやって、1日の始めには今日がなんの仕事か報告する。

それでも仕事内容を忘れてまうときもあるけど。

「そうなんや。みんな揃う？」

長尾「えっと、確かみっちーだけ別仕事で来れんって。」

「ほんまに売れっ子になったな。」

長尾「ですね。羨ましいわー笑」

こんな会話が出来るのも、ずっとやないんや。

いつか、出来なくなってまう。

そう思うと、心が痛む。

「そうや、謙杜。」

長尾「んー？なんですか？」

「忘れんうちに言っときたいから言うんやけど、私、一個憧れがあってん。」