存在2 ページ4
赤い鳥居をくぐり、大きな古い神社の社。
その社の前に置かれた、赤い賽銭箱の上に座る一人の少女。
白無垢のように白い千早衣を着て、その白銀の髪には赤い結びと彼岸花の髪飾りを付けていた。
「ねぇ、巳萬(みよろず)様。誰も来ないね…」
昔はよく近くの村に住む子供達が遊びに来ていたが、もう村は無く住んでいた子供達は、皆大人になり、この祠自体を忘れられてしまった。
巳萬様と呼ばれた神は、大きくとぐろを巻きながら顔をもたげた。
「あぁ?当たり前だぜぇ、イロハ。この神社に住み着いて何百年もなるがよぉ、人なんざとうの昔によそに行っちまってるのさ。」
「…私たち、消えちゃうのかな。願いも叶わずに、消えたくないなぁ。巳萬様、イロハまだ消えたくない。」
「ねぇ、斬島。本当にこんな場所に神社ってあるのかな?」
「ああ、肋角さんはそう言っていたが…」
「んー、なんか閑散とした山奥だよねー。
平腹、あんまり遠くへ行っちゃダメだよ。」
「だりぃ…」
「おい、まだ着かんのか!!」
「ふぉ?あれじゃねぇーの!みーっけ!」
遠くから、声がする。
それは、人の声。だけど、参拝者ではないようで、
私は、警戒していた。
「イロハ、あんまし殺気出しすぎると奴らに、即抹殺されちまうだろうが。一旦警戒を薄めとけよ?
大丈夫だ、俺様がなんとかしてやるからよぉ。
…あぁ?俺様は、ここの神様だからなぁ。」
そう言って、巳萬様は私と精神を入れ替えた。
見た目は私のまんまだけど、人格は巳萬様だ。
ただ、それだけの違いなんだけど、
巳萬様は口が悪い。
「はっ、口が悪いのは元からだぜ」
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ねむねむ - とっても面白いです。いつも続編楽しみにまってます。頑張ってください。 (2017年9月5日 18時) (レス) id: 19497ee779 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白衣カルテ | 作成日時:2017年8月30日 7時