神様にとり憑かれた少女は獄卒になる (ページ3)

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日常ページ3

ここにいるものたちは、すべて不思議な住民だ。
彼らは、ここを『獄都』と呼んでいた。
この獄都とは、この世で呼ばれている地獄に等しい。
そして何より、閻魔大王を始めに、この世とあの世の均衡を守る者たちがいる。
その鬼たちが『獄卒』だ。
では、その獄卒の中の特務室に配属している彼らのこれからの波乱万丈な生活をご覧いただきあれ。
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特務室

ダダダダダダ
物凄い勢いで廊下を走る何か。
速すぎて分からない。
「田噛ぃ～！！」
「うっせぇー！！(*｀Д´)ノ！！！」

自分の名をバカでかい声で呼ばれた怠そうな青年は、
眠たげで煩わしそうに眉を歪めながら、
グサッとつるはしでハイテンションな何かを刺した。

「いってぇーよ、田噛ぃ！！！
つるはしで殴ること無いだろぉ！」
刺された何か……ではなく、平腹は
怠そうにしている男・田噛に逆上する。

相変わらずのアホ面だなと田噛は、思っていた。
「平腹。……お前、本当に馬鹿だろ。」
「俺、馬鹿じゃねぇし！馬鹿って言ったほうが馬鹿なんだぜ、田噛！」

田噛は廊下の床に座り、壁に寄りかかって平腹を見上げた。

「そーいやー、さっきなぁー？えっと、なんだっけ？」
あれ？っと、笑っていた口を閉じ、真顔になる。
聞かれた田噛は、当たり前だが、
平腹が言いたかったことがわかるはずもない。
(分かりたくもねーけどな)

「あ？知らねーよ。俺に聞くな、任務か？」
田噛は、めんどくせぇと思いながら、被っていた帽子を取り、顔の上に乗せた。
すると、平腹の後ろから田噛を優しく呼びかける青年が現れた。

「田噛、肋角さんが任務内容話すからって呼びに来たんだ。」
「それだぁ！！任務だぞ、田噛起きろー！」
田噛は、寝てはいなかったため平腹の馬鹿でかい声に顔を顰めて、平腹を殴った。そして、平腹の後ろにいた青年・佐疫に礼を言った。

「てめぇ、任務ぐらい忘れんなよな。
佐疫、助かった。」
いえいえ、と佐疫は微笑みながら上司の待つ執務室へ歩き出した。

特に会話もなく、歩きを進めているこの三人、特別仲がいいという訳でもないし、気が合うという訳でもないが、なんだかんだ同僚という割には、不思議な関係であった。佐疫は、特に斬島と一緒のが多い為、余計にそう感じたのかもしれないが。

しばらく歩くと執務室と書かれた小さな表札が見え、
扉の前には、残りの特務室の仲間が待っていた。