烏間「俺の生徒は」桃井「反抗期で」菅原「宮城の人に」茅野「よく会うらしい」影山「迷い始める天才少女」パート２

８６ ページ36

赤司「悪いね、残してしまって。時間はあるか？」




A「大丈夫...です」




そうだ、変わってしまった彼らとは赤の他人




あの時に会った無邪気の彼らじゃない




初対面なんだ




赤司「先ほどはすまなかった。敬語じゃなくて構わない。Aは僕らの試合を見てどう思った？」




A「スポーツが嫌いになった。あんなことして、負けたチームがどう思うか考えなかったの？」




赤司「敗者は否定され、勝者は肯定される。敗者が勝者に対して何を思おうが僕らは知ったことじゃない。どんな気持ちか思いさせたいならば、僕らが負ける必要がある。だが、僕は負けない。僕が負けるなど許されない、ありえないことなのだから」




あれだ、本校舎の人達と同じ考えを持ってる人だ




A「敗者は上に立つものに逆らえない。そう言いたい？」




赤司「それは当然のことだ」




聞いてみたくなった




この完璧な人に




A「負けたことは...ある？」




赤司「そんなことあるはずがないだろう？」




あっさりと返された




この人にとって、勝利は息をしているのと同じ




赤司「教えてやろう。この世で一番大切なものは何か。勝ち続けることだ」




それだけ言って赤司さんは帰って行った




赤司さんはこう言いたいんだろう




私には勝利という当たり前のものが足りない、と

８７→←８５

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す