メガネ取ったらイケメンとかアニメかよ！

12話 ページ16

「ねえ、あの人カッコいい!!」

「モデルさんかな?!」

「一度でいいから抱かれたい！」



女性がたむろす中、一人の男が悠々と歩いていた



男は自分の事を言われている事に気づいていないのか…



いや、ヒクヒクと動く眉毛を見る限りでは恐らく気づいているのだろう



『この忙しいときに…

　ん？あそこにいるのは…』



男の視線の先には震えている少女と



『敦くんでは？

　なんていい日なんでしょう！』



中島敦がいた



男は女性達を無理やり押しのけながら駆け寄った



『どうしたんだい？』



敦「あ、この前の!!

　 僕も分からないんですけど…」



敦によると、中年の男性に会ってから



少女の様子がおかしいということだった



『あぁ…まあそうでしょうね…』



敦「え？」



『ふふ、なんでもありません

　少女よ
　
　乗り切るも、倒れるのも、ことごとく自力のもたらす結果ですよ』



男はそう言って少女の頭を撫でると



敦に少し微笑んで去って行った






鏡「自力のもたらす結果…」


少女は男の言葉を呟くと心が温まったような気がした


鏡「不思議な人…」

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