さんず ページ3
部屋に着いてすぐ、簡単な夕食を作る。
ちなみに得意料理は、
和食全般
和食とパスタに関してはプロ並みだと思う。
夕食を済ませたあとは、
お酒でストレスを発散する。
さすが、高級タワーマンション、
バルコニーもかなり広く、
なんなら外で寝られるほどだ。
さすがにこの寒空の下寝る馬鹿はいないと思うが。
最上階は、二部屋のみとなっている。
通常なら一部屋、もしくはバーなどの施設になっているはずなのだが、
なぜかこのマンションはそのような設計になっている。
オーナーや管理人が馬鹿、
いや、風変わりなのだろう。
都心部には珍しく、
少し暖かい雰囲気なのも、
彼らのおかげだろう。
私はこのマンション、この部屋に住んで3年になるが、隣人はいなかった。
つまり、暴れ放題、叫び放題である。
そんなことを考えながら、
CDデッキをセットする。
大好きなお酒に浸り、大好きな関ジャニ∞の曲を聴き、街の景色を眺める。
たとえ喉が潰れるほど声を出しても、
私の声は、夜の街に消えていく。
まるで、私の周りだけ
時間が切り取られているようだ。
そんな不思議な感覚に浸るのが、
毎日の日課であり、
唯一の落ち着ける場所でもある。
流れ続けていた曲が、
徐々に耳に入るようになった。
それはただ単に曲調が激しくなっただけなのだが、
その切り替わりに
少しの心地良さを感じる。
いよいよ、次は、
♪ワン、ツー
「ワンッ、ツーッ、ウーッ！！」
この瞬間が、最高に幸せである。
なんでも器用にこなし、
仕事一筋のイメージを植え付けられた私が、
誰にもバレずに、密かに
一人のヲタクとなれる瞬間＿＿＿
「びっっくりしたぁぁぁー！やっぱeighterか！」
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作者名：依莉奈∞ | 作成日時：2015年3月29日 2時
