炎柱と火の鳥４ (ページ48)

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任務の裏で… ページ48

しばらくして、産屋敷と槇寿郎の話は終わった。任務報告を終えた二人は藤の花の家紋の宿へと戻った。着いた頃には日が落ちていた。

「うむ！戻ったか！」

門を開けると千寿郎(緋酉)が仁王立ちして待っていた。

「また千寿郎に憑いたのか……何でもありだなお前は…」

「緋酉、Aは大丈夫か！？」

「開口一番Aの安否確認か……安心しろAは峠を越えた。胡蝶と千寿郎が看病してくれたおかげで静かに眠ってるぞ。顔でも見せてこい…眠ってるがな」

すやすやと眠るAに杏寿郎は安心した。

「……よかった」

杏寿郎はAの前髪を優しく撫でた。

「二度とお前を死なせない…」

絶対に…

「Aは俺が守る…」

「頼んだぞ…」

杏寿郎の後ろには千寿郎(緋酉)がいた。

「緋酉。」

「私がAに憑いて戦うことは危険な事だった……元々Aは不知火しか使えぬ。無理に他の技を使えばAに負荷をかけるだけでなく最悪、心の炎が消えてしまう…だからもう憑いて炎の呼吸は使わない

杏寿郎達が任務に行っている間、暇を見つけては私のところまできて二人が無事に任務から戻れるように願いながら火の鳥の舞を舞っていた。形だけの舞ではあったが、思いは強かった。」

「そうか……ありがとうA。

緋酉、今回の任務で未来を占う者がいたんだ。俺の未来と言うのが…」

杏寿郎は子兎の占いの内容を話した。千寿郎(緋酉)は黙って聞いていた。

「と言うことだった。今回の事を示していたのだろうか。それとも…」

「そうか…炎を失った雛鳥は……っ弱気になるでない！いつもの威勢はどうした！その予言された未来の内容が今回の事でも、この先の事でも関係ない！いいか？杏寿郎、運命というのはその者の行い次第で変えられるものなんだ！」

(雛鳥を守ってね…)

(行い次第で運命は変わります…)

「そのとおりだ！！ならば俺がAを守るぞ！」

がらっ…

「緋酉さん、煉獄さん。病人の前で騒がないでくださいね…」

叫ぶ二人に青筋を浮かべた胡蝶が静かに注意した。

「Aはもう大丈夫なので三人は屋敷に戻ってくださいね。」

「わかった。」

「私も戻るとするか…」

緋酉が抜けると千寿郎は倒れかかった。杏寿郎は千寿郎を支えると槇寿郎と共に屋敷に帰っていった。

それから半刻後、Aは目を覚ました。