寒空の火の鳥 ページ32
戦えば戦うほど寒くなる…どうして……
「あれ〜？どうしたの？疲れちゃったかな？もっと遊ぼうよ〜♪」
「来るな！」
しかし、木刀を振っても空振り…寒さでAは手が悴み木刀を落としてしまった。
「え〜もう終わりなの。それじゃ、俺の番ね」
【血鬼術 蔓蓮華】
何これ…氷の花！？
Aに向かって氷の蔓が鞭のように襲いかかってきた。
やられる…
「ん？」
【炎の呼吸 肆ノ形 盛炎のうねり】
Aの回りの氷の蔓が砕け散った。
「わぁ…やるね。」
でも雰囲気が変わったような…
シュッ
Aは一瞬で童磨との間合いを積め首に向かって木刀を振った。だがかわされた。
「今までで一番いい動きだね。」
「貴様…私のAに何してくれるんだぁぁぁ！」
【炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天】
「あはっ♪急に強くなったね。もう少しだけ遊ぼうかな」
A(緋酉)と童磨は戦った
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「Aー！」
「どこ行ったんですかぁぁ！！」
祭りの会場では宇随達がAを探していた。
「どうした！宇随！」
任務を終えた杏寿郎と槇寿郎が宇随と合流した。
「千寿郎、皆が血相を変えているんだが何があったんだ？」
「それが…Aが姿を消してしまって…先程まで一緒にいたのに…」
「何があったんだ！」
「天元様ぁぁ！！」
片方の草履を持った須磨が走ってきた。橙と黄色の鼻緒の草履…
「これ…Aの」
「須磨っ！どこでこれを見つけたんだ」
「道のはずれに落ちてて…もしかして人拐いにあっ」
杏寿郎は走り出した。すかさず槇寿郎は杏寿郎に日輪刀を投げた
「杏寿郎、持ってけ」
杏寿郎はAの草履が落ちていた付近を探しもう片方の草履を見つけた。
まだそう遠くには行っていないはず…
更に進むと藤の花の匂袋と根付けが落ちていた。
Aがこの先にいる…杏寿郎は森の奥へと走った。奥に進むと夏なのに空気が冷えて…誰かが戦ってる…あれは
Aに向かって氷の蔓が迫ってきた。
【炎の呼吸 伍ノ型 炎虎】
炎虎だと！？Aは壱ノ型の不知火しか使えないはず…ということは
「緋酉！」
「あ〜あ。もう一人来ちゃった。」
「Aを拐ったのはお前か！」
「そうだね。若い子は特に美味しいから。だけど遊んでたらお婆さんになっちゃった！」
童磨の発言は緋酉を怒らせるには十分だった…
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作者名：緋酉 | 作成日時：2021年1月30日 21時
