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僕は雨が強くなってきたので、彼女を僕の立派とは言えない家に招いた。
同い年くらいだったので、特に拒絶されたわけでも不自然に思われたわけでもない。
『・・・ボロいね・・・』
「言ってろ。」
僕はさっき買っていたタオルを彼女に渡した。僕も新しいタオルで濡れた髪を拭いた。
彼女は顔を静かに拭く。
何故髪を拭かないのか、男の僕には分からなかった。
「で、何でつったってたんだ?」
買った鏡を壁にかけながら訊いた。
『・・・・・学校で、虐められてる。』
「ふうん?」
鏡をかけた僕は彼女の座っている椅子の前にもう一個椅子を置き、話を訊けるようにする。
『私・・・自分の血で絵を描くと・・・その絵に込めた願いが実現する・・・・』
そうか。彼女も僕と同じ人ならざる力持つもの、か。
『それで・・・何かあると私のせいって。私、お絵描きしてないのに・・・』
そう言っている彼女の瞳は嘘をついていなかった。
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作者名:夕焼南桜 | 作者ホームページ:http://aIKtu&souselove
作成日時:2017年11月17日 20時