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僕は自分の身体にはまだ大きい鏡を抱えて森へと続く道を歩いていた。
雨はいっそう強まり、風も出てきた。
早く帰ろう。そう思って歩く足を早めた時に彼女を見た。
『・・・・』
傘もささず、雨の中ただつったっている彼女の顔はまだ長い前髪で隠れて見えなかった。
ただ、泣いているのは分かった。
涙が流れているのを見た。もしかしたら雨粒かもしれない。そうは思わなかった。
「なにしてんの?」
ただ無視してとおりすがるのも気が引けて、とりあえず話しかけた。これは、あれだ。
元日本人故の心得だ。
『・・・何も、してない。』
「見れば分かるよ。質問変える。何考えてたの?」
『別に・・・・』
彼女は僕と話したくないようだった。この世全てを拒んでいるようにも見えて。
そう。それだけでは引き返せなかった。
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作者名:夕焼南桜 | 作者ホームページ:http://aIKtu&souselove
作成日時:2017年11月17日 20時