#16 ページ17
城に来た侵入者を排除してから1週間。
俺は案外平穏な日常を送っていた。
事件といえば、総統室から時々フューラー様が逃げ出すくらいだった。
gr「__A」
フューラー様が俺の名前を呼ぶ。
振り返った先に見えたフューラー様の机の上には何も乗っていなかった。
『お、終わったんですか…?』
gr「終わった。だから話をさせろ」
『…分かりました。何をお話しますか?』
俺はフューラー様と向かい合い、笑顔になる。
gr「俺が話したいのはもう1人の方だ」
__________
グルッペンside
gr「…Richtige Haltung_俺と話をしろ」
俺の前に立つAは笑顔を崩さない。
いや、もうAでは無いのかもしれない。
gr「何か言え」
『では、天気のお話でもしましょうか…?』
Aの様な言葉遣いに眉を潜める。
gr「…もういるんだろう?正体を表せ」
『どういうことでしょうか…?』
余り荒々しい真似はしないつもりだったんだがな。
俺は立ち上がり、Aの側にあったランプを蹴り飛ばす。
gr「猫を被るな」
俺が目の前まで迫ると、細められていた目が少し開かれた。
『ふふふ。なんのお話をしましょうか』
明らかに雰囲気が変わった。
gr「ほう。お前も敬語なんてものが使えたのか」
『Aの真似をしているだけだけどな』
漸く話す気になった様だ。
gr「率直に聞こう。お前は誰だ」
椅子に座り直して目の前の奴に問う。
『__英雄だよ』
口を歪めながらそう言う。
gr「お前達は一心同体、なのか」
そう言うと表情が一瞬にして無くなった。
『アイツと一緒にすんな。
俺はあんなに臆病じゃないし、情けなくもない。
俺は皆が求める英雄像そのものだ』
英雄、と名乗るソイツは俺の机に片足を乗せた。
俺が軽く睨み返すが英雄は怯まない。
『そうすれば、誰でもお前に従ったのか?』
gr「…先程の言葉、訂正しろ」
英雄は、は?と言い不機嫌そうな顔をする。
gr「Aはお前が思っているよりも臆病ではない」
アイツは普段はあんな癖して、いざというときは身を挺して俺を守ろうとする。
痛みも鑑みずナイフを手で止めたのだ。
そんな奴のどこが臆病だと言うのか。
『…はは。お前と話すの案外楽しくて好きだぜ。暇になったらまた呼べよ』
gr「__!!待て!!!」
俺の声を無視して英雄は黙った。
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ーーー - 面白いです!! (3月6日 23時) (レス) @page32 id: fc78fe5922 (このIDを非表示/違反報告)
我々軍 副隊長 - チーノさん推しなんで、最高です!!これからも頑張ってください。受験も頑張ってください! (2022年6月2日 13時) (レス) @page32 id: 87f77450ee (このIDを非表示/違反報告)
ひゅう(プロフ) - やば、めちゃくちゃ面白いです!これからもがんばってください! (2020年6月9日 20時) (レス) id: 11002cd545 (このIDを非表示/違反報告)
竹介太郎(プロフ) - この小説最高っす…面白すぎてヤバイ()更新頑張ってくだせぃ(ロ)ゞ (2020年6月7日 18時) (レス) id: 48891dbb4c (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 更新されてる!?ヤッタァ!この後の展開どうなっちゃうのー!← 相変わらず小説作るのうまいっすね神っすね← (2020年5月16日 18時) (レス) id: 701acce8ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さささ | 作成日時:2020年3月29日 10時