年上彼氏〜five〜

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いつもなら...



『ごめんなさい』がすぐに出てくるのに



今日はそうはいかなかった







「私、もう十分頑張ってる！今までできてたことができなくなるくらいやってるよ！」


「A、」


「わかってる、立場が上になったんだもん、仕事が増えるのも責任が大きくなるのも覚悟してる．．．でも」





でもだからこそ、ほしいのは応援じゃなかった







「信ちゃんに言ってほしいのは『頑張れ』じゃない」






そう言い残してベッドに直行、すぐに目を閉じた







朝、目覚ましが鳴るまで一度も目覚めず

信ちゃんがいつ布団に入ったかもわからなかった







「いってきます」




寝ている信ちゃんに声をかけて家を出た






今日もバリバリに働く



いつかみた映画

確か『プラダを着た悪魔』の劇中で言ってた


『仕事が上手くいくようになると私生活がダメになる』




確か主人公、彼氏と一回別れたっけ．．．


でもあれは彼氏ももっと彼女の仕事を応援すべきだった．．．





信ちゃんは私の仕事理解して、応援してくれた

なのに．．．私、









今日は２４時過ぎての帰宅





「ただいま〜」


「おかえり」


「信ちゃん？」


「おん」


「起きてたの？」


「俺が寝たら誰がお前におかえり言うねん」


「それはそうだけど、お疲れでしょ？先寝ててよ」


「今は俺よりお前のほうがお疲れやろ？」


「．．．大丈夫よ、私もっと頑張れるよ」


「アホ」





そう言われながら信ちゃんの大きな体に包まれた



優しく抱きしめてくれた





うん、私が待ってたのはこれだった

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