ア イ シ テ ル 16 ページ16
ふっ、と目を覚ました。
「何処だ……ここは」
そこは何もない草原だった。
やわらかな光が降り注ぐそこに、俺は寝転がっていた。
ふんわりと、やわらかい。
暖かな布団に包まれているような、そんな感じ。
ぐぅっ、と伸びをしてから立ち上がった。
「本当に……なにもねぇ……」
幸せだ、と思った。
何もない。そこは、日頃の繰り返される詰まらない日常から切り離されたみたいな、幸せな世界だった。
眠りたいときに眠り。
食べたいときに食べ。
遊びたいときに遊び。
死にたいときに、死ぬ。
そんな、夢みたいな幻想がかなう世界のようだった。
まるで…………………………
「天国、みたいだ」
俺だって、俺だって死んだら、天国に行ける？
死にたい。死にたい死にたい死にたい。
自分の情けなさ、不甲斐なさが許せない。
俺のせいで、俺のせいであいつは―――――。
あれ？
”あいつ”って、誰だっけ？
俺は、何を悔やんでいるんだっけ？
分からない。忘れてしまった。
ただ覚えているのは、”死にたい”という気持ち。
あれ？
”俺”は誰だった？
名前は？年齢は？住所は？電話番号は？…………思い出、は？
何も思い出せない。
けど、もういい。俺には関係ない。
いつの間にか右手に持っていた冷たいナイフを左手首に当てる。
こんな、腐り切った世の中とはおさらばだ。
『そうは……させませんよ？』
突然、頭の中に直接響いてくるようなエコーがかかったような声が聞こえた。
「ひっ………！？」
『私のことも、自分のした罪も、すべて忘れるつもり？』
凛と………………先輩だった。
『あなたは死ねない。死んでも、天国へ行けない』
『私を殺したのは、あなた』
『Aくんが、先輩を殺した。』
『殺した』『殺した』『殺した』『殺した』『殺した』『殺した』『殺した』『殺した』『殺した』『殺した』『殺した』………………………………。
「う、うわあああああああああああああああっ！！！」
『逃げられないよ？一生、自分の罪と向き合って生きなさい』
『せいぜい、あたしと付き合ったことと、あたしを怒らせたことを後悔して生きてください』
「あ……あ、や………やだ、やめろ…………来るな…来るな！うわあああ！！！」
―――――――――そこで、目が覚めた。
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零ーﾚｲー(プロフ) - 赤音清さん» 閲覧&コメント有難うございます！怖いと思っていただけるように書いたので、そう思っていただけたなら嬉しいです！お褒めの言葉有難うございます！ (2016年12月5日 21時) (
レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)
赤音清 - ちょっと怖いですwでも面白いです！ (`・∀・´) (2016年12月5日 21時) (レス) id: 7f801f8a1a (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - 零ーﾚｲーさん» そうでしたね！！ww最後少しすっきりしましたww (2016年4月26日 22時) (レス) id: 5e5964a914 (このIDを非表示/違反報告)
零ーﾚｲー(プロフ) - アイミンさん» 閲覧＆コメ有難うございます！私もびっくりしました！詳しいことは知りませんが…いつかこんなＣＳＳを自分で作れるようになりたいです笑 (2016年4月26日 21時) (レス) id: 6bb01674e9 (このIDを非表示/違反報告)
零ーﾚｲー(プロフ) - ユリアさん» 閲覧＆コメ有難うございます！大丈夫です！殺しましたんで！！((どやぁ (2016年4月26日 21時) (レス) id: 6bb01674e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零ーﾚｲー | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/hina99121/
作成日時：2015年11月21日 21時
