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#06 ページ7

―――――――数日後。

「お願い菜月おねえちゃん!安室のお兄ちゃん!一緒に行こうよ!!」
「頼むぜ二人とも!みんなで行ったほうがぜってー楽しいからよ!」
「そうですよ!ぜひみんなで行きましょうよー!」

――――何故か子供たちから遊園地のお誘いを受けていた。

「ええー…」

コナン君によると、博士の知り合いから遊園地のチケットを貰ったが、二枚余ったので私とバーボンも一緒にどうか、ということらしい。

「これこれ、みんな…あまり無理に誘うのはどうかと思うがのぅ…」

困った顔の博士と、呆れ顔でため息をつく哀ちゃんとコナン君。と、目を輝かせる子供たち三人。
…皆には悪いが、仕事を理由に断ってしまおうか。…大人の都合、ってヤツだ。

「…ごめんねぇ、悪いけど、その日は仕事が―――――」
「いいですよ、皆で行きましょうか」
「はあ!!?」

私の言葉を遮り、バーボンがにっこりと笑って返事をする。

「その日はちょうど二人ともバイトもありませんし、暇なので……」
「やったあああああああ!!!」

…………どうしよう断れない雰囲気なのだが。

「……ちょっと!」

バーボンの脇腹を肘でつつき、睨みながら小声で反論する。

「私、子供苦手だって言ったでしょ!?…私パスするから」
「え?よく聞こえないんですが…もう一度言ってもらえます?」

にっこりと笑みを張り付けながら―――あ、違うコレ目が笑ってないヤツ。
皆に見えないように踵で爪先をぎりぎりと踏んづけてきた。
なおも口を開きかけた私を無言の圧力で制し、踵にのせる体重をどんどん増やしていく。

「いっ、いたっ、いたい、いたいです」
「姫野さんも一緒に遊園地行きますよね?」
「行きます、行きますから足を…ッ」

「ねー何やってるの?二人とも……」
「何でもないよー!わー私遊園地楽しみだなー!やったー!」

多少棒読みな気がしたが気のせいだ。きっと爪先がヒリヒリしているのが悪い。

「ったく姫野さんは……そんなに付き合い悪いと怪しまれますよ?」
「別に付き合いが悪いわけじゃありません!」

私にしか聞こえないような小声でバーボンが囁く。
私だって猫を被ることは出来るわよ?でも、ただ単に子供が苦手なだけ。
何か嫌味ったらしいことを言ってやろうと口を開いたが、バーボンの柔らかい笑みを見ていると、反論する気も失せ、私は静かに口を閉じた。

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零ーレイーついった始めました(プロフ) - 美空さん» 閲覧&コメント有難うございます!本当ですか!嬉しいです( *´艸`)頑張らせていただきます♪ (2017年8月16日 20時) (レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)
美空 - この小説すごく泣けました!新作楽しみにしてます(^^) (2017年8月16日 14時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
零ーレイー(プロフ) - 4696猫さん» 閲覧&コメント有難うございます!神作品!!?うわああ有難うございます!!感激です……! (2017年1月12日 22時) (レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)
4696猫(プロフ) - とても胸が締め付けられるような、そんな感じがしました!とても面白かったです!!コナン好きな私にとっては神作品でした!!お疲れさまですヽ(*´∀`)ノ (2017年1月12日 21時) (レス) id: 2682e5942a (このIDを非表示/違反報告)
零ーレイー(プロフ) - れいにゃんさん» 閲覧&コメント有難うございます!神だなんて……私なんて全くですよ;;お褒めの言葉ありがとうございます! (2016年10月16日 20時) (レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零ーレイー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/hina99121/  
作成日時:2016年5月26日 18時

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