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#32 ページ33

「そうだ、ここにはあの人が…!」
「え?ちょっと、何処行くの!?」

呟き、不意に走り出すコナン君の後を慌てて追う。一声かけてから行ってよね、と言ってみたが、彼の耳には届いていないようだった。

「そういえば、バーボンは何処に?」
赤井の姿は見かけたが、ここへ来てからまだ一度もバーボンには会っていない。ここで合流しようって言ったのに。
「分からない…ボクも見かけていないんだ」

首を横に振る彼。まったく、バーボンは何処に行ってしまったのか。それとも、彼はもう水族館へきているのか。しかしそれなら連絡をくれるはずだ。どちらにせよ心配なことに変わりはなかった。

「赤井さーん!ねえ、いるんでしょ!?返事してよー!」

ズドッ、ズドンッ!
鈍い音が上から聞こえてきた。叫んでいるコナン君は気付いていない様だが、その音は先ほどから止むことなく続いている。
(何の音…?)

「どうしたんだい、コナン君!」

不意にその音が止んだ。と思ったら、上から顔をのぞかせたのは、赤井秀一――ではなく。

「安室さん!?」
「バーボン!?」

私とコナン君、二人の声が見事に重なる。
「ちょっと、何でここにいるの――って、どうしてそんなに傷だらけなの!?まさか、組織の奴らが!?」
「…………いや、これはちょっと赤井とな…………ってそんなことより、どうしたんだ!?」
「車軸に爆弾が仕掛けられてるんだ!奴ら、観覧車ごとキュラソーを始末するつもりかもしれないよ!」
「何だって…!?」

コナン君の説明に、バーボンが目を見開く。
「それは本当か!?………FBIとすぐに向かう!」
嫌味ったらしく言い、赤井の方をちらりと見た後バーボンは駆け出した。

消火栓ボックスの前、屈みこむバーボンとコナン君、そして私。
「やはりC−4だ。非常に上手く配置されている」
車軸に乗ってコードをチェックしていた赤井が戻ってくる。
(派手にやりやがったな)
爆弾が同時に爆発すれば、この観覧車なんてひとたまりもない。連鎖崩壊を起こし、すべてが吹っ飛ぶだろう。勿論、私たちも。

バーボンはアーミーナイフを使い、消火栓ボックスの取っ手を外していく。
取っての裏側を見ると、センサーが取り付けられていた。
「…!トラップ…扉を開けたら爆発する仕組みだったって訳ね」
「ああ。安易に開けなかったのは正しい選択だったよ」
あの時コナン君が扉を開けてしまっていたら―――考えただけでゾッとする。この子が賢い子で良かった、と胸をなでおろした。

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零ーレイーついった始めました(プロフ) - 美空さん» 閲覧&コメント有難うございます!本当ですか!嬉しいです( *´艸`)頑張らせていただきます♪ (2017年8月16日 20時) (レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)
美空 - この小説すごく泣けました!新作楽しみにしてます(^^) (2017年8月16日 14時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
零ーレイー(プロフ) - 4696猫さん» 閲覧&コメント有難うございます!神作品!!?うわああ有難うございます!!感激です……! (2017年1月12日 22時) (レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)
4696猫(プロフ) - とても胸が締め付けられるような、そんな感じがしました!とても面白かったです!!コナン好きな私にとっては神作品でした!!お疲れさまですヽ(*´∀`)ノ (2017年1月12日 21時) (レス) id: 2682e5942a (このIDを非表示/違反報告)
零ーレイー(プロフ) - れいにゃんさん» 閲覧&コメント有難うございます!神だなんて……私なんて全くですよ;;お褒めの言葉ありがとうございます! (2016年10月16日 20時) (レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零ーレイー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/hina99121/  
作成日時:2016年5月26日 18時

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