#27 ページ28
降ってきた車をバーボンはすんでのところでかわし、再び体勢を立て直し走り出す。
軽自動車に乗っていた人たちが無事なのを確認して、ホッと息をついた。
「諦めたか…！」
にやりと笑うバーボンの言葉に窓の外を見ると、赤いマスタングはブレーキを掛け、車を止めていた。バーボンはここぞとばかりに次々と車を追い抜き、キュラソーとの距離を縮める。
キュラソーは素晴らしいドライブテクを披露し、大型トラックを一台、道路から突き落とす。
「危ない！」
思わず声が出る。その直後、私たちは信じられない光景を目にする。
「！！」
突き落とされた大型トラックの屋根の上を走り、ジャンプしたキュラソーの車。キュラソーは落下するトラックを踏み台にし、ループ状の急カーブを終えた下の直線道路へと着地したのだ。
(信じられない…！流石はキュラソーね…)
こんなときに感心してしまった。バーボンの顔に焦りが生まれる。
「ここで逃がす訳にはいかない…！」
必死でアクセルを踏むバーボン。でも待って――
「待って！」
バーボンを止める。が、すぐに止まってくれる訳はない。
「何故だ！？今ここで逃がしたら世界中がパニックになるぞ！」
「違うの、見て！ほら、あそこ！」
キュラソーが着地した地点の少し先、直線道路を車内から指差す。
「渋滞してる」
これでは逃げようにも逃げられない。さて、キュラソーはどうするか――
ギギッと方向転換したキュラソーの車は、
「逆走！？」
(もしかして、だから赤井は……)
渋滞のことを知っていて、キュラソーが逆走してくることを予測し待っていたの！？
「赤井…ッ」
バーボンも気がついたようで、唇を噛む。
八つ当たりのようにダンッと音を立ててアクセルを踏んだ。
「何者なの、赤井秀一は……」
呟いた言葉は、周りの騒音にかき消された。
瞬間、
パァンッ！
騒音の中を一直線に貫く、乾いた音が響いた。
「まさか…！」
車の隙間から見えたのは停車した赤いマスタング。発砲したと思われるライフルを構えた赤井秀一。
弾は見事にキュラソーの乗っていた車のタイヤに当たる。車は操縦不可能となり、グネグネと蛇行運転を繰り返したのち、海へと落下した。
数秒後、激しい爆発音がして、巻き込まれて一緒に落ちた車数台が爆発を起こす。
あたりには火花が舞う。バーボンは車を止め、赤井のもとへと走る。短い言葉を交わし、悔しそうに拳を握りしめ戻ってきた。
「帰るぞ」
そういったきり、バーボンは一言も話さなかった。
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零ーﾚｲーついった始めました(プロフ) - 美空さん» 閲覧＆コメント有難うございます！本当ですか！嬉しいです( *´艸｀)頑張らせていただきます♪ (2017年8月16日 20時) (
レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)
美空 - この小説すごく泣けました！新作楽しみにしてます(^^) (2017年8月16日 14時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
零ーﾚｲー(プロフ) - 4696猫さん» 閲覧＆コメント有難うございます！神作品！！？うわああ有難うございます！！感激です……！ (2017年1月12日 22時) (レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)
4696猫(プロフ) - とても胸が締め付けられるような、そんな感じがしました！とても面白かったです！！コナン好きな私にとっては神作品でした！！お疲れさまですヽ(*´∀｀)ノ (2017年1月12日 21時) (レス) id: 2682e5942a (このIDを非表示/違反報告)
零ーﾚｲー(プロフ) - れいにゃんさん» 閲覧＆コメント有難うございます！神だなんて……私なんて全くですよ；；お褒めの言葉ありがとうございます！ (2016年10月16日 20時) (レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零ーﾚｲー | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/hina99121/
作成日時：2016年5月26日 18時
