#20 ページ21
「バー？」
それはポアロでコナン君と話したちょうど二週間後のこと。
バーボンから手渡されたチラシには、黒い背景に赤い筆記体の文字で店名が記されていた。
「ああ、俺の知人が営んでいるところなんだが…」
薄暗い店内をぼんやりと照らす照明。棚に並ぶ、たくさんのグラスとお酒。
写真で見た限り、結構いい雰囲気のお店の様だ。
記載されている住所を見ても、それほど遠い場所ではない。
「それで…このお店がどうかした？取引場所とか？」
「いや、別にそういう訳じゃないんだが…良ければ明日にでも一緒に行かないかな、と思って」
「…私は構わないけど…バーボン、仕事は？」
「ああ、それなら―――」
『降谷さん！また無茶して…その任務は私が済ませておくと……』
『あ、ああ…けどこのくらいどうってことない…』
『いいですか、明日は必ず休んでくださいね！降谷さん最近寝てませんよね！？』
『たったの三日寝てないだけだ。問題ない』
『駄目です、休んで下さい！体調を崩されたらどうするんですか！』
『………………』
『いいですか、絶対に休んでくださいよ。ゆっくり寝てください』
「風見に強制的に休みにされた」
「………………」
愛されてるわね、と言うと、風見は過保護なんだよ、と苦笑する。
確かにバーボンは最近寝ていない様だ。目の下の隈が酷い。
「いいわよ、私も最近飲んでなかったし。一緒に行こうか」
「そうか？なら良かった。断られたらどうしようかと」
……明日がオフでよかった、なんて。勿論、お酒が飲みたいから。
「私が断るわけないでしょ？久々のお酒なんだから」
口角を上げながら私は”本音”を隠した”建前”の言葉を吐く。
正直に言えない私はとんだ弱虫だって、分かってるけど。
それでも素直になれない私は、一体何なのか。
『Aちゃんは素直だね』
小さいころ、周りの大人は皆そう言って私を褒めた。
良くも悪くも、私は思ったことを正直に口に出してしまう子で。
大人になると―――いや、理由は”大人になったから”だけでは決して無いだろうけど。
性格も変わってしまうんだな、と当たり前のことを思い少し悲しくなった。
でもまあ、そんなことはどうでもいい。
こんな気持ち悪い感情も、組織も仕事も公安も、全部忘れて酔いつぶれてしまおう。
最近は何かと忙しかったから、明日くらいゆっくりしても罰はくだらないだろう。
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零ーﾚｲーついった始めました(プロフ) - 美空さん» 閲覧＆コメント有難うございます！本当ですか！嬉しいです( *´艸｀)頑張らせていただきます♪ (2017年8月16日 20時) (
レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)
美空 - この小説すごく泣けました！新作楽しみにしてます(^^) (2017年8月16日 14時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
零ーﾚｲー(プロフ) - 4696猫さん» 閲覧＆コメント有難うございます！神作品！！？うわああ有難うございます！！感激です……！ (2017年1月12日 22時) (レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)
4696猫(プロフ) - とても胸が締め付けられるような、そんな感じがしました！とても面白かったです！！コナン好きな私にとっては神作品でした！！お疲れさまですヽ(*´∀｀)ノ (2017年1月12日 21時) (レス) id: 2682e5942a (このIDを非表示/違反報告)
零ーﾚｲー(プロフ) - れいにゃんさん» 閲覧＆コメント有難うございます！神だなんて……私なんて全くですよ；；お褒めの言葉ありがとうございます！ (2016年10月16日 20時) (レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零ーﾚｲー | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/hina99121/
作成日時：2016年5月26日 18時
