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#10 -Bourbon side- ページ11

「遅いなぁ…」

レナがフードコートへと向かい、早数十分。流石に遅すぎるのではないか。
それとも…彼奴も立派な女性。こういうのを選ぶのには時間がかかるのか…?

「菜月おねえちゃん、遅いねぇ…あ、ボクが見てこようか?」
「え?いいのかい、コナン君?」
「うん!大丈夫だよ!」

子供を一人にするのはいささか心配な気もしたが、コナン君なら大丈夫だろう。

今日はいい天気。頭上から降ってくる柔らかな光が俺を包みこむ。
―――ああ、眠い。
今日は折角の休日。家でのんびり筋トレでもしようかと思っていたのに。
熱心に誘ってくる子供を冷たく断るのは流石に可哀想だしな…

「あ、安室の兄ちゃん!!」

コナン君が此方へ走ってくる。レナが見つかったのかな。

「あ、お帰りコナン君!どうだった?」

俺はにっこりと微笑みながら彼に聞いた。
――――彼の返答によって、眠気さえも吹っ飛ぶとも知らずに。

息を切らした彼が瞳孔を目いっぱい見開きながら震える声で叫ぶ。

「菜月おねえちゃんがどこにもいないんだ!!」

―――――――――――――は?
レナが…いない?何処にも?
トイレにでも行ったのではないか。いやそうだとしても流石に遅すぎる。
「電話を……」
自分で言っときながら、それはやめた方がいいと気がつく。
もし、これが事件なら…レナが何処かに連れ去られてるのなら…電話はかけない方がいいだろう。
焦った犯人にレナが殺されてしまうかもしれないから。
「…待てよ、携帯の電源が入っているのなら…」
GPSで居場所を特定するのが可能なはずだ。
すぐさま自分のスマホの電源を入れ、レナの携帯が何処にあるかを調べる。
ぺかぺかと赤く光る丸がある場所は―――良かった。まだこの遊園地の中のようだ。

「ねえ、安室の兄ちゃん!ここに菜月おねえちゃんがいるの!?」

背伸びをしながらスマホを覗き込んでいたコナン君が、焦ったように言う。

「…うん、そのようだね」
「じゃあ、早く行ってみよう!もしかすると本当に連れ去られたのかもしれないよ!」

姫野さんを迎えに行ってくる、とだけ博士に言い、僕たちは走り出した。
後ろの方で俺を呼ぶ博士の声がしたが、振り返ってはいられない。




――――――――――――どうか、無事で。

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零ーレイーついった始めました(プロフ) - 美空さん» 閲覧&コメント有難うございます!本当ですか!嬉しいです( *´艸`)頑張らせていただきます♪ (2017年8月16日 20時) (レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)
美空 - この小説すごく泣けました!新作楽しみにしてます(^^) (2017年8月16日 14時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
零ーレイー(プロフ) - 4696猫さん» 閲覧&コメント有難うございます!神作品!!?うわああ有難うございます!!感激です……! (2017年1月12日 22時) (レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)
4696猫(プロフ) - とても胸が締め付けられるような、そんな感じがしました!とても面白かったです!!コナン好きな私にとっては神作品でした!!お疲れさまですヽ(*´∀`)ノ (2017年1月12日 21時) (レス) id: 2682e5942a (このIDを非表示/違反報告)
零ーレイー(プロフ) - れいにゃんさん» 閲覧&コメント有難うございます!神だなんて……私なんて全くですよ;;お褒めの言葉ありがとうございます! (2016年10月16日 20時) (レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零ーレイー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/hina99121/  
作成日時:2016年5月26日 18時

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