Prologue -? side- ページ1
『もう!けんかしちゃだめって、いったでしょ!』
『だって……』
夕日の落ちる公園、ブランコに座っているのは、子供が二人。
長い黒髪を一つに束ねた、赤みががった瞳の少女。
その隣には、顔体中に切り傷をつくった、色黒でクリーム色の髪、碧眼の少年。
ああ、何故だろう。
”私”はこの子たちを、知っている。
『先生にも、おこられるよ!』
『別に、いいよ……だってもう、先生は、いないんだ…』
彼等を斜め上方、空中に浮くような体制で見ている”私”のことは、彼等には見えていないようだった。
『**くん……』
彼女が悲しそうに彼の名前を呼んだ瞬間、不意にノイズが入り、彼の名前だけが聞き取れない。
『……傷が、できてるよ』
『ん……』
ポケットから出した絆創膏を、不器用に彼の頬へ貼る。
―――――ああそうか、思い出した。
これは”私”だ。
これが”私”だとすると、隣の少年にも覚えがある。
この子は、この子は、きっと――――。
『ねぇ、**くん。わたしは、わたしはね、何があっても、絶対に、**くんの味方だからね』
『はぁ…?』
『誰が**君のことを嫌いっていっても、わたしは、ずっと――――、』
『もういいよ』
たどたどしく、けれども一生懸命思いを伝えようとしている少女――わたし、を制し、彼は立ち上がり背を向ける。
『そんなの、もう聞きたくない』
『まって!!』
彼を追い、わたしも公園を出る。
しかし、駆け出した彼に追いつくはずもなく、わたしは独り彼の名を呼ぶ。
『ねぇ……』
『れいくん!!!』
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零ーレイーついった始めました(プロフ) - 美空さん» 閲覧&コメント有難うございます!本当ですか!嬉しいです( *´艸`)頑張らせていただきます♪ (2017年8月16日 20時) (レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)
美空 - この小説すごく泣けました!新作楽しみにしてます(^^) (2017年8月16日 14時) (レス) id: 611dba761a (このIDを非表示/違反報告)
零ーレイー(プロフ) - 4696猫さん» 閲覧&コメント有難うございます!神作品!!?うわああ有難うございます!!感激です……! (2017年1月12日 22時) (レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)
4696猫(プロフ) - とても胸が締め付けられるような、そんな感じがしました!とても面白かったです!!コナン好きな私にとっては神作品でした!!お疲れさまですヽ(*´∀`)ノ (2017年1月12日 21時) (レス) id: 2682e5942a (このIDを非表示/違反報告)
零ーレイー(プロフ) - れいにゃんさん» 閲覧&コメント有難うございます!神だなんて……私なんて全くですよ;;お褒めの言葉ありがとうございます! (2016年10月16日 20時) (レス) id: 79ca697b23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零ーレイー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/hina99121/
作成日時:2016年5月26日 18時