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荷物持ち ページ11

「いくら思春期とはいえあんなにあからさまに避けられると流石の私でもちょっと傷つくなぁ」
「んー、悪気はないから仕方ないよね」

食堂の外で鉢合わせた甘露寺さんとご飯を食べながら、先程あったことを思い出すとほんの少し心がシクシクする。

「わたし意外と精神が豆腐かも…」

朝食の献立に入っていた豆腐を乗せた匙をマジマジと見つめてそう呟けば、隣の甘露寺さんが小さく吹き出していた。

ご飯を食べて甘露寺さんと別れて、次の昼食の準備に向かう。
今日は昼が終われば非番なので、そのあと何しようかな…厨の邪魔にならない所を借りて甘味でも作ろうか…なんて考えながら必要な材料を揃える。

甘味を作るにしても1度町に買い物に出ないとなぁ、と思い返して、午後は町に出て食材探しをすることにした。

昼食の支度を終えて自分の賄いをサクッと平らげたら、早速町へ繰り出す支度を始める。

「買い物だけだし、前掛けだけ置いていけばいいか。」

調理で少し汚れた前掛けを外して髪だけ少し整えて、町へと繰り出す。

「小豆ともち米と白玉粉と…そう言えば甘露寺さんの言ってたぱんけぇきってどうやって作るんだろ…?今度聞いてみよう。」

買い物の最中に甘露寺さんの話していたふわふわで甘くてキュンキュンな食べ物に興味が湧いたので、今度作り方を聞こうと心に決めて。

色々買ったら結構な量になってしまった。

「……重い…」

誰か1人ぐらい助っ人呼んでくれば良かったと、今更ながらに後悔しながら隊舎までの道のりを歩く。
大きな紙袋を2つ抱えてフラフラ歩く様はまるで子供の初めてのお使いのようで。

鍛えた腕とは言えどそろそろ限界を迎えそうだったのでどこかで一息つこうかと茶屋に視線を向けた時だった。

「!!」
「?!」

見知った顔と目が合ったのだ。
そう、つい先程わたしの顔を見てすごい勢いで踵を返して走っていった少年が、今まさに団子にかぶりついた所だった。

「ぅぐっげっほぉ!」
「…わぉ…盛大に噎せたねぇ大丈夫?」
「な、こ?!?」
「待って待って置いてかないでお願い助けてー!」

盛大に噎せながらも(苦しくて顔が赤いのか恥ずかしくて顔が赤いのかわからない)先程同様驚いてその場から立ち去ろうとする彼を必死に呼び止めて。

「………………」
「偶然とはいえ玄弥くんが居て良かったぁ!」

無事荷物持ちの助っ人を確保できたわたしはホクホク顔で彼の隣を歩く。

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ひな(プロフ) - とろ玉うどんに使われてる器さん» コメント頂き有難うごさいます。面白いと言って頂けて嬉しいです。拙い文章ですが少しずつ更新していきますのでお暇つぶしにでもして頂けたら嬉しいです。 (2020年1月11日 18時) (レス) id: bfebdd5928 (このIDを非表示/違反報告)
とろ玉うどんに使われてる器 - 凄い面白いです!一気に読んじゃいました!!!玄弥可愛い...!! (2020年1月10日 19時) (レス) id: b3c78b6606 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひな | 作成日時:2020年1月4日 15時

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