[暁のヨナ]影を歩む龍 伍

＃188 ページ3

シノ｢あ！お帰りなさい！｣

母｢ただいま｣

先代青龍と会った翌年

昔からそうだったけど

母上はよくどこかにでかけていた


そんなある日

母｢お前にもそろそろ、話しておかないとね｣

そう言って

一冊の本を私に渡した

母｢それはね、建国神話についての本だよ｣

その時初めて

私は建国神話を知った

緋龍王と四龍たち

そして

黒龍


シノ｢じゃあ、どこかに四龍もいるの？｣

母｢ああ、前に会ったアオもその一人だったんだよ？｣

シノ｢じゃあ今は違うの？｣

母｢新しい青龍が生まれたんだ、もう二才になるのかな｣

シノ｢いつか会えるかな、今の青龍に｣

母｢会えるさ、お前はいつか…四龍と共に旅をするだろうから｣

シノ｢？…ふーん…ねえ、かあさまは四龍に会った事あるの？｣

母｢あるよ？青龍は勿論、白龍にも緑龍にも…皆、今はもう違うけどね…｣

シノ｢黄龍は？｣

母｢勿論、たまに一緒に旅をしてるしね｣

シノ｢ねえ、どんな人達なの？｣

母｢ん？そうだねえ…｣

それから母上は

先代龍たちの話をしてくれた





・







・









貴様！何者だ！

白龍を探しに来たのだが…

何…白龍様だと…？

何事だ？

ああ…白龍様…この者が…

あなたが白龍？はじめまして

そなたは……ﾌﾑ…先代様より聞いている、こちらへ

は、白龍様、よろしいのですか？

先代様にもてなすよう言われているからな






あの…先代様から聞いているって…

代々、我ら白龍が口伝えしているのだ、そなたらの事を…勿論、里の者達は知らん

そう…

里の者にはそなたの里の出入りを許可するよう伝えておこう

そう頻繁には来れないだろうけどね

…先代様から…確かにそなたらの事は聞いている…しかし、よく分からんのだ

…というと？

我ら四龍が緋龍王にお仕えしていた頃、共に闘った者がいる、その者の子孫が来たならばもてなせ…会えばきっと分かるから…一体これはどういう…

…それだけ伝えられていれば十分だよ、私らは影なのだから…

そうか…

じゃ、私はそろそろ…

ああ、またいつでも来るといい






・






・






母｢先代白龍はね…生まれたわが子を…今の白龍を傷つけてしまった…だから親子で共に過ごす事が出来ない…今まで口伝えされてきた私達の事も…伝えられないの…｣

それが

母上が語った

先代白龍

キジャのお父上の話だった

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