Episode104.処刑 ページ5
side.A
貴方｢…この方が今回処刑される人、ですか。見た感じ呪力も一般人並みですけど…。罪状は？情報漏洩だけでは無いんでしょう？｣
予想では呪詛師にも情報を流した、だろうか。我々の住居もバレてしまっては休めないな。
｢子供の販売だ｣
貴方｢…は、？呪力を持った子供、という事ですよね？｣
｢あぁ。罪人は視える側だったが、それを偽っていたことが判明した。｣
貴方｢でもこの人は個性を…まさか、｣
嫌な予感がした。ついこの前まで潜入していたヴィラン連合の事だ。朧も脳無も、元は人間で違う個性だった。…与えることも、出来るのだ。
｢個性を貰っていることが尋問から判明した。コイツは何でも見通せると言う個性を貰う代わりに、術式をもった子供を横流ししていた。
当然、この個性社会の中では無個性は家の恥。子供を渡して金が入るなら親も棄てるだろうな｣
コレだから個性社会は嫌いなんだ。
子供の人権は？家の恥？知るか。昔の呪術界隈も相当だったが、今ではまだマシな方だぞ。
実際、甚爾さんや真希は迫害を受けていない。直哉だけは記憶を持っていて真希の事をよく思っていないが…。
｢これにより、罪人を"呪詛師"と判断し処刑が決定した。磁操特級術師にコイツの処刑を命令する｣
貴方｢分かりました。失礼します｣
公安だった奴を術式で浮かし、処刑部屋へと連れていく。血生臭いな、そろそろ掃除しないとか。
｢やめろ…、やめてくれ、俺は何も…！｣
貴方｢…子供を売って楽しかったか？｣
｢そんなことしてない！俺はただ、｣
貴方｢自分がした事、最期くらい認めたらどうだ？｣
そう言い放てば、観念したかのように下を向きポツリ、ポツリと話し出す。
因みにこの様子を上層部は見ているだろうが気にしない。
｢…金が…、欲しかったんだ｣
貴方｢…。｣
｢母ちゃんが、俺のために…無理して、個性を貰ったんだ…その為には、返済の為には、金が必要だったんだ！！｣
母親も相当この社会に毒された人間だったか。縛られて可哀想に。
貴方｢…どこで子供を売っている？｣
｢…知らねぇ｣
貴方｢言え｣
｢ぐぁ…ｯ!!｣
貴方｢苦しんで死にたくないだろう？言え｣
刀を深く入れれば、ようやく口を開いた。さっさと言えば良かったものを。
｢サイト…っ、裏サイトだｯ!!金庫の中に書いてある!!｣
貴方｢…そうか、ありがとう｣
そのまま術式を発動し、罪人の心臓を破裂させた。その前に気絶させたから恐らく痛くは無かっただろう。
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作者名：ハク | 作成日時：2022年4月12日 20時
