Episode130.誘拐事件 ページ31
side.相澤
磁操と連絡が取れなくなってから数ヶ月。呪霊は視えなくなったが、明らかに空気が重かった。
マイク｢……なぁ、最近ポルターガイストと神隠し多いよな｣
相澤｢そうだな｣
マイク｢呪霊、だよな？｣
相澤｢恐らくな｣
マイク｢いつ祓いにくるんだろうな…｣
呪霊が見えなくなったのは良いが、正体を知ってるためストレスには変わりなかった。
幸いお守りのおかげで被害にあうことは無いが、数日前から生徒が行方不明になっている。
根津｢相澤くん！午後の授業は中止で緊急会議をすることになったのさ！他のヒーローにも伝えてくれるかい？｣
相澤｢分かりました。｣
緊急会議、か。恐らく、というか絶対にこの呪霊関連だろう。それともインターンについてだろうか？
そんなことを考えながら職員室へと足を進める。会議が始まらない限り分からないしな。
────
────────
根津｢集まってくれてありがとう。今日の会議は、数日前から数人の生徒が居なくなる事例が多くなっていることについて。｣
やはり呪霊か、と思う。校長はどこまで知ってたんだっけか、と頭の片隅で考える。
根津｢生徒たちはみんな学校外に出ていないし、襲われたであろう場所は決まっていない。警察に相談をした所、この件は公安特別調査課に任せた方が良い、と言われた。｣
つまりその警察は見える側、窓の人だったか。呪霊に拐われたのは確実。磁操と連絡が取れない今、どう動くのが最善か。
根津｢だが、あんなに怪しい組織に任せることはしたくなくてね。…前にエンデヴァーが設けてくれた席で私が聞いた人間の秘匿死刑が決まった、と言われたんだけれど…。数日後、新聞に転落事故として載っていたよ。｣
相澤｢……しかし、警察がそっちに任せた方がいいと言ってるんでしょう？｣
根津｢君は人間を平気で殺すような人達に、大事な生徒を任せられるのかい？｣
あぁそうだ、この人たちはみんな磁操のことを知らないんだ。任せた方が安全で、かつ被害が無くなると知らないんだ。
相澤｢……。｣
根津｢それに、生身の人間を幽霊が隠すとは思えない｣
呪霊の恐ろしさを知らない。雄英は日本中の何処からでも恨まれたりすると聞いた。つまり、呪いが強いと言うこと。
強い呪霊は意思疎通も取れるし、思考することが可能。
根津｢取り敢えず、外に出る時に生徒たちを探そう。警察も動いてくれないみたいだしね｣
生徒たちが死んでしまう。なんとか、連絡が取れればいいんだが。
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作者名：ハク | 作成日時：2022年4月12日 20時
