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4*謎の人物 ページ5

真っ暗な闇。

ああ、私死んだんだ


やっと、死ねた。


自然と唇も弧を描く。


刹那。


一筋の光りが闇の中に差し込んできた。
何?
お迎えかな?

その光りはだんだんと広がっていき、眩しくて目があけられなくなり、私は目をぎゅっと閉じた。


.


そして、うっすらと目を開けるとそこには―


「―目、覚めたのか!?」

目を丸くして私を見つめる一人の青年。
この人、あれかな。
天使かな?


「よかった、生きてて・・・」


.


「―――・・・え?」


今なんて言った?
生きててよかった?


「・・・私、死んでないんですか・・・?」


「え?お前、現にそこにいるじゃねーか」


青年は不思議そうに首を傾げた。


「っ・・・うそ!嘘でしょ!?うそって言ってよ!!あたしは確かに心臓を刺して死んだ!!!」

「死にそうになってるところを、俺が見つけて病院に運んだんだ」

「そんなっ・・・嘘!!!!!!なんで生きてるの!!!?」

「ちょ、落ち着けって!!!」

「いやっ!!!!触らないでよ!!!!!!!!!!!!!!」

嘘。

うそうそうそ
私は死んだ
ありえない
何で生きてるの?
なんで、なんでなんでなんでなんで―


「なんで、助けたの!!!!!!!!!!!!」


ほっといてくれれば。
私は幸せになれたのに
楽になれたのに

最悪な人だ、この人は。

なぜか涙が頬を滑り落ちる。
青年は私の肩を掴んで、静かに言った。

「落ち着け」

「っ・・・」

静かだけど威圧感のあるその声に、私は黙り込んだ。
この人、怖い。

「―・・・お前、自殺しようとしてただろ」

「・・・」

あたしは否定も肯定もせずに、ただぼーっとエメラルドグリーンの瞳を見つめた。

「何で自殺しようと思ったんだ?」

優しく諭すような声。
でも騙されたらいけない

人間は皆裏切るものだから。

「貴方には関係ありません」

「助けた以上、関係ねーことはねーだろ?」

青年は、ベッドの横に置いてあったイスに腰掛けた。

今更気付いたが、ここは病院らしい。
私はベッドに寝ていて、刺した部分は丁寧に処置されていた。

そして青年は苦笑しながら、「嫌なら話さなくていいけど」と付け加える。
その優しい笑みに、私の口からは勝手に言葉が紡がれていた。

「――・・・実は、いじめに合っていたんです、学校で」

.

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設定タグ:ヘタリア , 嫌われ , W学園   
作品ジャンル:アニメ
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英国娘@妄想しすぎた少女(プロフ) - 頑張ってください! (2014年1月6日 1時) (レス) id: 9e4b6daae0 (このIDを非表示/違反報告)
ナクチ/ナクラ(プロフ) - 続きたのしみです! (2012年9月4日 21時) (レス) id: a722f43588 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`)ひなき(プロフ) - 綿雨(∂ω∂☆)さん» 久しぶりぃぃぃぃー!!勿論覚えてるよ(`・ω・´)!!涙腺!?なにゆえ!? (2012年8月8日 20時) (レス) id: 7991b9023f (このIDを非表示/違反報告)
綿雨(∂ω∂☆)(プロフ) - 連コメ失礼、涙腺してもうた(´;ω;`) (2012年8月7日 19時) (レス) id: 357a9224bc (このIDを非表示/違反報告)
綿雨(∂ω∂☆)(プロフ) - ひなきちゃんやぁ!!((お久し振り!覚えてるか知らないけど(笑)お気に入りに入れさせてもらうで☆ (2012年8月7日 19時) (レス) id: 357a9224bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:(´・ω・`)ノひなき | 作者ホームページ:http  
作成日時:2012年7月9日 22時

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