来世でお会いしましょう

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『ただいま』



散々殴られて罵られて、遅くなっちゃったな。
兄さんも心配してるかな。


お母さん達はもう寝たかな？
風邪引くからちゃんと布団被ったかな。


あ、ゴミクズが人様の心配しちゃ駄目なんだ。
友達が教えてくれた




「Aっ…おかえ……り…」




リビングから乱暴に扉を開けて走ってきたのは、私の大好きな兄さん。
大学を卒業してから会社に就職してる



自慢の兄さん




「っ…また、殴られたの？」



兄さんの顔が歪んでいる。なんで？どうしたの？




私の頬にある痛々しい痣を優しく撫でてくれる
暖かくて、大きな手。


嬉しいな、また兄さんに撫でてもらった




『ちがうよ、友達と遊んでたの。ちょっとぶつけたの。大丈夫、大丈夫だよ』



まるで自分に言い聞かせるように繰り返す



大丈夫、大丈夫だよ。




だから、





『泣かないで、そらる兄さん』





「ぅ、…Aっ…ごめん…絶対助けてやるから…ごめん、な……」




もう大人なのにポロポロ涙を零しながら私を抱きしめる兄さん。
なんで私みたいなクズの為に泣くの？

兄さんが悲しむところ見たくないよ





『大丈夫だよ。大好きだよ兄さん』





「……俺も。ほら、傷の手当しよ」





『うん』




ごめんね、こんなのが妹で。

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