ちっちゃくても恋してますっ！！３

１１１cm ページ15

ｰｰ貴方sideｰｰ

烏養「じゃまたあとで、だな！
おつかれー！」

「「「 おつかれさまでしたー！！ 」」」



その日の練習は終え、今日の夜…というか朝方？

東京へ出発だ



正確に言うと埼玉だ



森然だから





「…ーい、聞いてる？寝てんの？


有馬Aサーン」





貴「に゛ゃ！？」





ボーッとしていたら、いきなり顔の真横から聞こえてきた声にビビる







月「あ、起きてた」





パッと振り向くと、さっきまで真横にあった顔はひょいと高いところに戻った




貴「お、起きてるよ…！」



月「ボーーーッっとしてるから立ったまんま目開けて寝てんのかと思ったよ」




半笑いで言う月島くん





月「明日、歩いて学校来るの？」



東京へ行く時のことだろう
朝方学校集合だから



貴「ん？歩いて行くよ」



お父さんは出張中で、お母さんは免許持ってないし




月「へー…」




？

なに？



貴「なんで？」




そう問えば、少し顔をしかめる月島くん




月「……誰かに迎えに来てもらえば？」


貴「へ？なんで？」


月「なんでって…
出るの、子供はまだ寝てる時間だし
寝坊で遅刻しないように、誰かと待ち合わせて学校行った方がいいんじゃナイ？」



目を逸らして月島くんが言う


それってつまり、



貴「わたしのこと子供だと思ってる？」


月「…アレ、違ったっけ？」


貴「お な い ど し！！！！」


月「事実上の年齢の話をしてる訳じゃないけど」



にこやかにそういう月島くんに言い返す



貴「じゃあ学力の話かな？
先週の英語の小テスト、わたしの方がよかったんじゃなかったっけ〜？」


月「それを言うならその次の物理と次の日の数学の小テストは僕の方が上だったけど」


貴「う゛…
っ、でも僅差じゃん！！」


月「僅差だろうかなんだろうが上は上で下は下デショ」



ぐっ




月「ていうかそんな話じゃなくて
それこそ澤村さんとかと一緒に来なよ
誘えば？」


貴「だーかーらー、子供じゃないから一人で大丈夫だよ！」


月「前似たようなこと言ってストーカーにあったんじゃん」


貴「え」




え、


もしかしてそういう心配してくれてたの？

寝坊の心配じゃなくて…




月「……なに」


貴「いや、分かりにくいなと思って」


月「は？」



じろりと睨まれるが、怖いというより、なんか…



なるほど、分かりにくいけど優しい


山口くんの気持ちが少しわかった気がする





貴「あ、じゃあ＿＿＿…」

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