ちっちゃくても恋してますっ！！３

１１０cm ページ14

ｰｰ菅原sideｰｰ



ニコリと笑うA


…あれ、なんか大地に似てきた？





貴「…今までの聞いてました？」


菅「え、えーと…」


貴「追ってきたんですよね？」


田「う…」





吃る俺達に少し顔を顰めて言い放つ





貴「人の告白、隠れて聞いてるのは不謹慎だと思います。」



自然とその場にいる俺達は背筋が伸びる



おっしゃる通りです




貴「…“ごめんなさい”は？」


「「「 ご、ごめんなさい… 」」」


貴「もうしちゃダメですよ？」



今までの怒った顔からふっと笑って体育館に足を進めるA




貴「じゃあもう行きましょ！
練習始めるの遅いって烏養コーチに怒られちゃいますよ！！」




パタパタと小走りで、しかしこちらを気にしながら体育館へ急ぐAからは先程少し感じた大人っぽさは全く感じられない


といったら怒られるかもしれない



…本気で怒ったらかなり怖そうだ



気を付けよう



そう思いながら大地を見ると、呆気に取られたようにAを見ていた




菅「大地？」

澤「え、あ、いや…」

菅「？」


顔を覗き込むと、ふと我に返ったように顔を赤くする大地



澤「…Aって、好きなやついたんだな」

菅「はい？」



Aが聞いたら泣きそうな案件だ



澤「その好きなやつって…」


菅「え？」



大地の顔はもう真っ赤だった



澤「いや、そんなわけないよな
すまん、なんでもない…
あ、暑いな！？ちょっと顔洗ってくる！！」


菅「お、おう…」





…これは、もしかして…？





･





ｰｰ澤村sideｰｰ



なんでそう思ったのか分からないけど

もしかしたらAの好きな人って…




もしかして俺…？




澤「いやいやないないないッ！！！」



そんなありえない自惚れを流すように少し乱暴に顔を洗った




でも、あの目は
あの表情は


時折、Aが見せる表情だ
視線を感じて振り返って目が合った時とか



『わたし、澤村さんのこと、好きです…よ？』



…あの夜とか。




…いや、いやいやいや
自意識過剰だろう、所詮勘違いだ



Aは先輩的に俺の事を尊敬していてくれるだけ！

“尊敬の好き”だ！！ウン！！





でも、あの好きな人のことを話すあの大切そうなあの顔が頭から離れない





澤「あァ！！！もーーッ！！！！」






暑い、暑い、暑い！！！


バシャバシャと頭から水を被る。






これだから夏はッ…！！！

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