及『俺の兄ちゃんについてどう思うか意見を求めたい。』V

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貴「…つまり、
俺の高校までの18年間も…
目標も、夢も…
全部、お前の身勝手な我儘のせいで、
潰れた………って、こと？」





濱安『…そっ、それ、は…』


貴「お前さぁ…
俺が『笑って許してくれた』って言ってたけど、それが、俺にとって…」




喉で言葉が詰まる






どれだけ苦しかったか分かるか？

どれだけ悔しかったか分かるか？


でも、誰にも予想できなかったんだって、事故だからしょうがない、ってなんとか自分抑えて

お前を殴りたい気持ちを抑えて


こっちは笑ってたんだよ


お前が気にしないように、
周りが気にしないように、



自分の気持ち殺して



それが今更
『実はいつか倒れるだろうと思いながら部活をやってた』なんて、




濱安『でも…っ！でも、まさか、お前を巻き込むなんて思わなくて！！』



電話口の向こうで嗚咽が聞こえる


いいなあ、お前は泣けて




貴「…なんで、今言った…？」

「…え」

貴「俺がバレーにまた関わる事になったから、罪悪感が増したか？
バレーと向き合いだした俺を見て、抱えきれなくなったか？」



部活を引退してから大学卒業まではバレーをしなかった

誘われても適当に流してずっとやり過ごしていた

少し生活に余裕が持てて、徹が部活に少しだけ誘ってくれるようになって、またボールを触り始めた


烏野と出会って、もう一度バレーに深く関わり始めた



それが濱安にとっては苦しい事だったんだろうか




『ごめ、ん…』


貴「…お前、『ごめん』ばっかだよな」




どうせなら、ずっと隠していてくれたらよかったのに



事故という事実は変わらない

濱安が俺を巻き込むつもりがなかったというのも本当だろう




変わったことと言えば、
“予期出来なかった仕方の無い事故”から
“いつか起こるとわかっていた事故”になったことだけだった





しかし、それは想像以上に俺の頭を強く殴った





お前はまた俺が許すだろうと思って打ち明けたんだと思うけど





貴「俺、お前が思ってるより優しくないし、出来た人間でも無いよ」


『…え？』








俺は人の気持ちに鈍感な訳では無いけど、特別敏感というわけでもなかった



ただ、今、濱安が期待している言葉は分かる





…長い付き合いだもんな

それを言って欲しいなら、言ってやるよ





貴「『過ぎた事だしもういいよ、話してくれてありがとうな』」





電話の向こうで俺の名前を呼ぶ声がしたが、構わず切った

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