Quotidiano 3 (ページ20)

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昨日は隼の家にお泊まりしたんだけど
やっぱり怖いものは怖い

少し隼に触れるのも怖いと思うほど

そんな私に
優しく、傷を癒すように隼は寄り添ってくれた

だから、隼に包まれると安心する

「A、何があったか言える？」

「………うん」

「辛かったらいいからね」

「あのね、レコーディング室にね、人がいっぱいでね、あの、男の人が」

「そっか、そっか、怖かったね」

全部言うまでもなく理解してくれる隼
私を撫でる手が大きくて隼も男の人なんだって改めて思う

でも、これ以上迷惑はかけれない

隼から身体を離し、手を繋いで
少しだけ離れたみんなのところに

同じ男性なのに全く怖くない

隼もレコーディング室に来てほしいな

「もう平気」

「A、強がったところでいい歌は歌えないよ」

「涼太さん、でも」

「迷惑だなんて思ってないよ」

「な、んで」

「Aの考えてること、分かりやすいよ」

「じゃあ、俺も行こっかな」

「でも、」

「俺たちが聴きたいだけだからね」

「亜嵐さん、」

「もっと呼んで！」

「ふふっ、亜嵐さんありがとう」

1時間もしないうちにブースに戻って
迷惑をかけたことを謝ると

「迷惑なんて思ってないよ」

そう声をかけてもらい、怖いと思った私がバカらしくなった

私の周りには、ステキな仲間がいるんだと

レコーディングが無事に終わり
進んでないフリを考えるためにスタジオに向かっている途中に前方から走ってくる人

玲於が私の前に立ち
守るような仕草をしてくれたけど

前方から来た人は私に飛びつき
抱きしめてきた

「あ、つしさん」

「よかった、よかった」

「ごめんね、心配かけて」

「ううん、本当に無事でよかったよ」

篤志さんのサングラスの奥に
光るものが見えたとき

私の頰にも温かいものが
やっぱり長きを共にしたオリメンさん達に会うと

深いところから熱いものが込み上げてくる

「マキさん達に会ってない」

「すごく心配してた」

「みんな地方だもんね」

「松っちゃんはもう帰ってくるよ」

「元気な姿みせないとね」

「そうだね、今からレコーディング？」

「もう終わったよ、今からスタジオでフリするの」

「そうか、」

「篤志さんは？」

「今から、ハワイに飛ばなきゃ」

「え、大変なのに来てくれたの？」

「Aを一目でも見たかったからね」

「ありがとう、頑張ってね」

「うん、Aもね」

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