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「ごちになりまーす。」
『……おー。』
何だか流れでご飯まで食べて帰ることになったので、夕食を作ります。
「俺も手伝う!」
『いーよ。』
「いんや、する。」
何回いいよ、と柔く断ってもテヒョンが譲らないから、百歩譲ってにんじんの皮むきと野菜を切ってもらうことにした。
した、んだけど。
『ちょちょちょ!ピーラーの持ち方おかしいって!』
『それ取ってから切るんだよ、包丁って。』
『みじん切りじゃなくて細切りにしてって言ったじゃん!」
ものすこく料理が下手だ、このヤリチン。
何度も流血沙汰になりそうなところをすんでの所で止めながら、何とかご飯を完成させた。
「いっただきます!!」
『いただきます…。』
すごく元気なテヒョンと、やつれてる僕。
でも何か、口いっぱいにご飯を頬張って顔全体でうまさを表現してくるテヒョンを見てると、不思議と微笑ましい。
すると突然。ちょうど僕の後ろにある棚を見て、テヒョンが目を見開いた。
「あれ、」
その視線を追いかけて、一際目立つ一つのCDに辿り着く。
『あ、これ?僕、この人の音楽が好きで。「俺も好き!」
食い気味で僕の声に被さったテヒョンの言葉に、驚いてむせそうになった。
『ほんと!?』
「ほんとほんと。」
その人は少しマイナーな人だけど、一番大好きな歌手。
知ってる人が周りにはいなかったから、初めて同じ趣味の人と出会ったようなもので。
「この人、凄い良いよね。曲のテンポが好き。」
『そうそう、構成が素晴らしすぎる。』
正直めんどくさいと思ってたのに、今じゃ楽しい。
「……俺達、ほんとうに相性良いみたい。」
そう、どこか嬉しそうに笑うテヒョンに、僕も笑った。
『そうだね。』
今日の発見。
大学一のヤリチンと童貞の僕は、不思議と気が合うみたいです。
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waka(プロフ) - 犬のマルチーズさん» コメントありがとうございます!これからも、ぜひぜひよろしくお願いします!! (2022年2月3日 17時) (レス) id: e247cabc05 (このIDを非表示/違反報告)
犬のマルチーズ - 面白いです!完結おめでとうございます!!これからも、WAKAさんの小説読ませていただきます! (2022年2月2日 20時) (レス) id: dc541df11a (このIDを非表示/違反報告)
waka(プロフ) - 稲荷さん» 稲荷さんの語彙力を消滅させられて嬉しいです!!こちらこそありがとうございます!!! (2022年1月30日 10時) (レス) id: e247cabc05 (このIDを非表示/違反報告)
稲荷 - もう、好き!なんだろう、好きすぎて語彙とんでっちゃた、、、wakaさん完結おめでとう!そしてありがとう! (2022年1月30日 6時) (レス) id: 72ee2dd031 (このIDを非表示/違反報告)
waka(プロフ) - ニナさん» ニナさん、たくさんコメントしてくださって本当にありがとうございます!喜んでもらえて、楽しんでもらえたのなら幸いです♡これからも、よろしくお願いします!! (2022年1月19日 13時) (レス) id: e247cabc05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:waka | 作成日時:2022年1月9日 19時