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ヤバい。



其れしかサンズの頭には無かった。




「…サンズ?どうしたの、そんなに慌てて。」




そんなサンズに呑気に話し掛けるA。




「…papyrusが死んだ。あの、人間に殺された。」




其れを聞いたAは一気に汗をダラダラと流した。



其れは、俗に言う変な汗だった。



何で遺跡から出てきた時に止められなかったのだろう。



何で殺される前に守れなかったのだろう。



そんな思いがサンズとAの中で渦巻く。



そうして、サンズは決断した。




「…Aは逃げろ。」


「なら、サンズも一緒に…」




そう言って駆け寄るAにサンズは目を逸らして言った。




「悪い、俺は彼奴と戦う。」


「…な、何で…?パピルスが倒されたんだよ?勝ち目何か…」


「其れでも、俺は自分の仕事を全うしなければならないんだ。」




何時もみたいに、怠ければ良いのに…何でよぉ…と泣きつくAは年相応だった。



一応言っておくが、Aはまだ子供だ。



そんなまだ小さい子供を彼奴に殺される訳にはいかない。



だから、自分が犠牲になる「勇気」が出た。



絶対にあの人間の足止めにはなってみせ、彼奴を罰するという「正義」感の表れだった。



「サンズ、直ぐそうやって何事にも耐えようとするんだから…「忍耐」強過ぎるよ…」


「heh、違うぜ?俺は只、彼奴に"反骨精神"を抱いただけだ。」




何処からかドラムの音が聞こえてくる。



其れにAはこんな時にジョークって…と言っていたが、とても楽しそうだった。



只、サンズはジョークで気を紛らわせていただけであった。



何時もの様に。



Aが悲しまない様に。




「…死なないでね、サンズ。」




Aの其の目には誰にでも分かる様な「親切」心が見える。



もう、諦めた様な顔をしない彼と"約束"をした。



"俺はとっくに諦めた。"




「嗚呼、絶対だ。」




人を守る為に嘘を吐くのは「誠実」とは言えないが、彼には「不屈」の精神が見えた。

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ひこうちきん(プロフ) - ツララさん» コメント有難う御座います!嬉しいです、本当に励みになります…!神作品、そう言って頂けて本当に嬉しいです… (2022年12月12日 19時) (レス) id: 05937225ef (このIDを非表示/違反報告)
ツララ - 神作品ありがとうございました!!!主さん語彙力ヤバすぎですね!(いい意味で) (2022年12月12日 19時) (レス) @page7 id: 4d27d118a6 (このIDを非表示/違反報告)
ひこうちきん(プロフ) - これはお咲さんさん» 二度目のコメント有難う御座います!いえいえ…私なんて語彙力のごの字も有りません… (2022年12月3日 10時) (レス) id: 05937225ef (このIDを非表示/違反報告)
これはお咲さん - いや……なんで初めてでこんな上手く書けるんすか?そこが疑問でしかない (2022年12月2日 20時) (レス) @page7 id: 3b1cb8dcad (このIDを非表示/違反報告)
ひこうちきん(プロフ) - これはお咲さんさん» コメント有難う御座います!そう言って頂けて本当に嬉しいです…!有難う御座います! (2022年11月29日 20時) (レス) id: 05937225ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひこうちきん | 作成日時:2022年11月29日 17時

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