じしょーへき

〃 ページ40

「指切り拳万♪嘘吐いたら針千本飲ーます♪」




歌うAにサンズは理解が追い付かなかった。




or「…何だ其の物騒な歌。しかも指切ってなくないか？」


「地上で約束は破りません､って誓う歌。昔は切ってたらしいけどね…」


or「…地上怖いな。」




こんな事で笑って話せる仲。



そう、互いに信頼し切っている此の関係だからこそ、事件は起きたのだ。



ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ



サンズは目を覚ます。そして、違和感を覚えた。



何時もは、自分より先に朝ご飯を食べているか、起こしに来るAが居ない。



弟の部屋、洗面所、Aの部屋等々。全ての部屋を見た。



だが、何処にもAは居なかった。



弟が起きるのではないか？という事もどうでも良くなる位には焦った。



何で？とか、どうして？とかいう台詞は言っていられなかった。



何よりもAが居ないショックや焦りが大きかった。そして、ある事に気付く。




or「此れ…メモ帳か？」




やっと出てきた言葉は此れだった。其のメモ帳をゆっくりと開くと…



ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ



急に出て行って御免。



多分、私が居なくなって凄く焦ってると思う。だとしたら、本当に御免なさい。



あ、此れを見ているのがパピルスだった時は、サンズと一緒に見てね。



…何で私が居なくなったのか、分からないよね。どうしても、地上に出たかったんだ。



どうしても、恋しかった。どれだけ此処の人達が優しくても、恋しかったんだ。



そう言えば、私はアズゴア王を倒しちゃうと思うんだ。



バリアを通る為には、モンスターのソウルと人間のソウル、両方必要だから、倒すしか無いと思う。



御免…御免ね。



じゃあ、時間が惜しいので行ってきます。今までお世話になりました！



約束､守れなくて御免ね。



ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ



こうして、一番初めに繋がる。




or「…何で、何でだ…？」


or「…だから約束は嫌い何だ…！！」




泣くでも無く、落胆するでも無く、冷や汗をかくだけだった。



頬を伝う大量の汗。ダラダラと流れる大量の汗。其れは、焦りの現れだった。




or「此れを一生涯背負えって言うのか？heh…」




サンズは一人笑った。

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