三人監 禁物語。 killer murder ページ2
killer side
鎖が何かにぶつかる音がする。
其の音が響いてとても煩い。
そして…
「い、やだぁ…」
泣き出す此の子は僕のモノだ。
…いや、正確には"僕等"のモノ。
僕と、此の…
「…大丈夫か?」
妄想癖野郎…いや、murderだ。
Aちゃんの事を彼女だと思っているらしい。
彼奴は狂っている。
監 禁しようと考え、彼奴に提案した僕が言うのも何だが。
僕等は元々仲が良くない。
何時でも喧嘩をして、怒られる程だ。
だが、僕はAちゃんの事が好きで…
でも、彼奴もAちゃんの事が好きで…
だからこそ、どうしようもなく愛していた僕が思い付いたのが…
二人でAちゃんを監 禁するって訳!
同族を虐殺した二人が平和的ハッピーエンドなのは皮肉だろうけど。
まぁ、現にAちゃんは楽しそうではない。
「落ち着け。」
「…っ…!!」
murderに触られている。
だが、睨まれているからざまあみろって感じだ。
何故、Aちゃんは楽しそうではないのか。
其れは…
Aちゃんはまともだから。
どうしようもなく愛した僕等とは違く、
Aちゃんは俗に言う一般人なのだ。
此の言い方は悪いかもしれないが、普通の一般的な考えだからだ。
僕等は、とっくに壊れている。
勿論、自覚は彼奴もあるだろう。
だから監 禁しようと考えた。
だから自分の彼女と考えた。
結局のところ其の程度なのだ。
…にしても、彼奴…
僕のモノに触り過ぎ。
彼奴に聞いても、彼女だから当然、とか言われるのだろう。
「murder、邪魔。」
そう言って僕はmurderを押し退けた。
因みにmurderは途轍も無く不服そうだ。
後で喧嘩コースだろう。
「ねぇ、今の気分は?」
Aちゃんに聞いてみる。
だが、其の返答は予想内。
「…最悪。最悪に決まってる…!」
Aちゃんも気分が悪いらしい。
まぁ、そうなるか。
君を睡眠薬で無理矢理寝かせて、此処に連れて来たんだから。
そりゃあ、そうなるよね。
…でも、僕はまだ満足はしていない。
そう、壊れている僕だから…
こう考えてしまう。
きっと、其れは壊れている彼奴もで…
あー…うざい。
もう…
小さく呟いた声が狭い檻の中で重なった。
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ひこうちきん(プロフ) - なのださん» コメント有難う御座います!返すのが遅くなりすみません…初のシリアス系に挑んでみた結果が此方になります!インク君…可哀想な君は可愛…ゲフンゲフン (2023年1月3日 15時) (レス) id: 05937225ef (このIDを非表示/違反報告)
なのだ - い、インクうあああああ (2022年12月31日 17時) (レス) @page10 id: 757190f567 (このIDを非表示/違反報告)
ひこうちきん(プロフ) - apyapiさん» コメント有難う御座います!とんでもなく嬉しいお言葉、有難う御座います…!!とても励みになりました、有難う御座います! (2022年12月29日 16時) (レス) id: 05937225ef (このIDを非表示/違反報告)
apyapi(プロフ) - 一言(?)言わせて頂きたい。めっちゃ神作です!最高です!短編集って、短すぎても長すぎても・・・ってイメージがあるのですが、丁度良い長さ&行間で読みやすいです!この小説大好きです!(こんな神作を書いてくださる作者さんも!)更新頑張ってください! (2022年12月28日 16時) (レス) @page46 id: 80520e762e (このIDを非表示/違反報告)
ひこうちきん(プロフ) - 星月夜さん» コメント有難う御座います!最高と言って頂けて本当に嬉しいです…有難う御座います! (2022年12月18日 13時) (レス) id: 05937225ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひこうちきん | 作成日時:2022年11月30日 17時