〃 ページ46
"モンスター棟、急患一名。繰り返します。モンスター棟───"
急患が来る何て、一体何が遭っただろうか。
そう思いながら、私は急患の方の元へ向かった。
「えっと、名前言えますか?」
「…い、ん…ink…」
ink、と名乗った患者さんは泣いていた。
何で泣いているのかを聞くと、孤独恐怖症らしい。
其れを私はカルテに書き込む。孤独恐怖症って事は…名前の通りか。
「何で其れを患っているか分かります…?」
i「…トラウマがあるんだ。」
環境、という事になるのだろうか。
うん、大体の事は聞けたし、後は他の人に任せよう。
「…話してくれて有難う御座います!」
そう言って私は部屋を出て、看護師さんと交代した。
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翌日の夕方。inkさんの様態を見に来ると、ある異変を感じた。
in「あ、Aちゃんお早う!先刻、名前聞いたよ!」
「え、いや、何か変わりましたね…?」
変わった所ではない。最早別人だ。
そう私が言うと、先刻errorさんの所に居たらしく、一人ではなかったから、だそうだ。
確かに、人形があるが、inkさんとerrorさんは知り合いだったのか…?
其れは、後で聞きに行くとしよう。
其れにしても、もう夜になる。今、夜という事は、彼が───
カツカツという足音がする。
crossさん?と、少し疑いながら聞くと…
cr「…!A、か?」
突然声が聞こえて驚いたのか、少し肩をビクッとさせた。
其れでも、テンション的に矢張り、もう一人のcrossさんだ。
意外と感情豊か何だが、何故か他の看護師さんには少し怖がられている。
「少し、話したい事があるんですけれど、良いですか?inkさんについて何ですが…」
cr「嗚呼、良いぞ。彼奴、新しく入ったんだよな…」
患者さん達皆、耳が早いらしい。耳は無いが。
其の後、crossさんは私に思い出を語ってくれた。
cr「彼奴は…俺にしつこい位話し掛けて来たんだよ。」
言葉だけ見たら、少し嫌がっている様に感じるが、話している時の顔は嬉しそうに微笑んでいた。
元々、crossさん達とinkさんは関わりがあるらしく、楽しそうな思い出が沢山あった。
特に、errorさんとの関係が深いらしい。
微笑ましそうに語るcrossさんを見て私は矢張り、何方のcrossさんも良い人だ、と軽く笑った。
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ひこうちきん(プロフ) - なのださん» コメント有難う御座います!返すのが遅くなりすみません…初のシリアス系に挑んでみた結果が此方になります!インク君…可哀想な君は可愛…ゲフンゲフン (2023年1月3日 15時) (レス) id: 05937225ef (このIDを非表示/違反報告)
なのだ - い、インクうあああああ (2022年12月31日 17時) (レス) @page10 id: 757190f567 (このIDを非表示/違反報告)
ひこうちきん(プロフ) - apyapiさん» コメント有難う御座います!とんでもなく嬉しいお言葉、有難う御座います…!!とても励みになりました、有難う御座います! (2022年12月29日 16時) (レス) id: 05937225ef (このIDを非表示/違反報告)
apyapi(プロフ) - 一言(?)言わせて頂きたい。めっちゃ神作です!最高です!短編集って、短すぎても長すぎても・・・ってイメージがあるのですが、丁度良い長さ&行間で読みやすいです!この小説大好きです!(こんな神作を書いてくださる作者さんも!)更新頑張ってください! (2022年12月28日 16時) (レス) @page46 id: 80520e762e (このIDを非表示/違反報告)
ひこうちきん(プロフ) - 星月夜さん» コメント有難う御座います!最高と言って頂けて本当に嬉しいです…有難う御座います! (2022年12月18日 13時) (レス) id: 05937225ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひこうちきん | 作成日時:2022年11月30日 17時