[ 実況者 ] 非無自覚 2 [ キヨ , レトルト] (ページ5)

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四十九話ページ5

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レトルトside

「ラインや....」

「へ？」

昼休みの教室でスマホでゲームをしていたらラインの通知が来た。

....しかもそれは

「Aから！！」

「うそ！なんてきたの！？」

見間違いかと思ってラインのアプリを起動させたけど間違いなくAや。

「早くあけなよ！」

「けどすぐに既読つくのはおかしいと思われるんちゃう？」

「大丈夫だって！！」

「わかった。」

うるさく催促してくるアブの言われるがままに俺はラインを開いた。

＜今日、放課後に中庭に来てくれる？

スタンプも絵文字もなく、簡潔なメッセージが来ていた。

「これはあれじゃない？仲直りできるんじゃない？」

「ほんまか！？やっとや....」

「レトやん結局ずっと話しかけないままだったからね。 Aの方がよっぽど男らしいね。」

いやいや、二人して二週間以上放置してたから俺にもAにも男気ないやろ。

と密かに思うけど話しかけれなかったのは確かだから黙って首を縦に振った。

なんか日にちが過ぎるたんびに話しかけにくくなるもんやねんで。

「...まあどうであれよかったね。やっとAを奪うチャンスができたんだから！」

「え、奪う....?」

「なに初めて聞きました、みたいな顔してんの？奪うんでしょ！ Aを！！」

「...そのことやけどな、もうええかなって思うねん。」

Aがもしかしたらもう俺のことなんか想ってないかも知れへんし、Aは今でじゅうぶん楽しそうやから俺が邪魔するのはなんかちゃうと思うねん。

そう伝えるとアブはへえ... と相槌を打つ。

「仲のいい幼馴染みに戻れたらそれでええかなって。」

「...じゃあ略奪しないつもりなんだね。」

「うん。」

「...そっか、レトやんがそこまで言うならそうしたらいいと思うよ。」

けど、後悔はないようにね。

アブはそういうと俺の頭をポンポンと叩いた。

(...後悔か、)

後悔はあの日にしてるから、もうすることなんかない。

「それと、仲直りしたら二人で報告しにくるんだよ！」

「おう！いくらでもしたるわ。」

またAと話すことができる。

それだけでめっちゃ嬉しいんやから。

(大丈夫。)

元の仲のよかった幼馴染みに戻れるやんな。

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