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「どういうこと！？Aはポムフィオーレに決まってるわ！！」
ヴィルに胸ぐらを掴まれたクロウリーはダラダラと汗を流している。
どうにか落ち着かせようと「お、落ち着いて下さい、シェーンハイト君」と呼びかけるがまったく効果は無い。
「学園長、もしかしてあの人が言った言葉をお忘れではないでしょうね？」
「え…？…あ゛」
ヴィルの言葉に思い当たる節があったのか濁った声を出すクロウリー。
「でも、闇の鏡がもう決めてしまいましたし…」と恐る恐る言葉を捻りだす学園長を汚物のような目で見ながら「なら、さっさと転寮手続きをしてくれる？」とイラつきながら返すヴィル。
さすがに入学早々転寮は…と口ごもるクロウリーだが、実は転寮の手続きが面倒なだけであった。それを口に出せば目の前のヴィルが今よりも怒るのは目に見えているので、何も言えない。
流石に誰か助けて下さいと目でヘルプを送るが誰も彼を助けようとはしなかった。
あぁ、この学園の生徒はなんて薄情なんでしょう。と心の中で嘆くクロウリーだが、生徒からすれば普段面倒を押し付けてくるお前の自業自得だと考えている。
すると先程から放置されていた新入生がヴィルの方へ近づくではないか。
あんな鬼より怖い鬼に来たばかりの…しかもこの場の誰よりも小柄な体格の子が、今のヴィル相手に何されるか分かったもんじゃない。
急いで止めようと数名が動くよりも先に新入生が口を開いた。
「ヴィルちゃん、大丈夫。え、と、どうしても無理だと思ったらヴィルちゃんのとこ行くから」
「…はぁ…わかったわ」
「ありがと」
いつの間にか式典服のフードが脱げていた新入生を見た全員が息を呑んだ。
汚れを知らないような真っ白で長い髪。赤く煌めく瞳は宝石のルビーを連想させた。
暗い色を帯びた赤は一切の光を灯さない。それは赤色と真逆のはずの深海を彷彿とさせる色だとアズールは密かに思う。
小柄な体はこの場の誰でも折ることが出来てしまいそうで。
腕も足も、見るからに細い。新入生の目の前にいるヴィルと比べたら一目瞭然である。
そのヴィルだが、先程までの怒りは何処へやら。新入生と楽しくおしゃべりに興じているではないか。
滅多に見ない穏やかな微笑みを浮かべてはヴィルの所の副寮長が「実に美しい…！」と少し離れて騒いでいる。
流石に、この二人の和やかな雰囲気に入る程空気が読めない訳では無いらしい。
滅茶苦茶な入学式に、数名な真面目の生徒は溜息しか出なかった。
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おひつじ(プロフ) - 百華夜さん» コメント有り難う御座います。今後の話で出す予定なので楽しみに待っていて下さいね！作者が社畜故、更新が遅いですが気長に待っていただけると嬉しいです…！ (2022年11月30日 23時) (
レス) id: cb4f368955 (このIDを非表示/違反報告)
百華夜 - 初コメ失礼します、この小説、スッごく面白くて好きです。あの方が誰なのか、ヴィルさんは何処で夢主と知り合ったのかが凄く気になります。更新、頑張って下さい、応援しています。 (2022年11月23日 16時) (レス) @page10 id: a48955bec9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おひつじ | 作成日時：2022年11月18日 12時
