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…怖い 怖い 怖い こわい
触れられたところから伝わる体温が…
欲望に塗れた目が…
どうして、わたしはおとこのひとの下にいるの?恐怖でふるえるわたしを見て、嬉しそうに笑う。あぁ、あの時とおんなじ。ベタベタとわたしのからだを触って、きれいだと褒めて、どろどろに溶かしたチョコレートのような目でわたしを…。いらない、いらない…!あつくて溶けそうになる熱なんて欲しくない。なのにわたしの口に入るにがい液体に吐きそうになって。
あれ?何で、わたし…水の中にいるの…?
気付けば見慣れた…みずの中。ぜんしんに冷たい温度がしみわたる。さっきの熱が引いていく感覚。でも、全部消えてくれない。どうしても気持ち悪さがのこってしまう。ちがう、そんな場合じゃない。
ダメ、早く出ないと…
ああああっ――――!!!
痛い、痛い、痛い、いたい、いたい
ビリビリと全身が痛みだす。首のチョーカーを力いっぱい掴むけど、痛みは消えてくれない。かみなりを体全体に浴びたような、体の内側から酷く発する痛み。あぁ、やってしまった。わたしは、水に入れない…海にも入れない。
何で…わたしはかえれないの…?
返して、帰して、還して、かえして…どれだけ叫んでも、わたしの小さな願いは叶わない。そんなこと、あの日からわかっていた。それでも、願わずにはいられない。
助けて…!
たすけて、ヴィルちゃん…!
―――――――魔女さん…!
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おひつじ(プロフ) - 百華夜さん» コメント有り難う御座います。今後の話で出す予定なので楽しみに待っていて下さいね!作者が社畜故、更新が遅いですが気長に待っていただけると嬉しいです…! (2022年11月30日 23時) (レス) id: cb4f368955 (このIDを非表示/違反報告)
百華夜 - 初コメ失礼します、この小説、スッごく面白くて好きです。あの方が誰なのか、ヴィルさんは何処で夢主と知り合ったのかが凄く気になります。更新、頑張って下さい、応援しています。 (2022年11月23日 16時) (レス) @page10 id: a48955bec9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おひつじ | 作成日時:2022年11月18日 12時