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過ぎ去る日常、非日常 ページ20

Aが入学してから早くも一か月が過ぎた。

この一か月間、今のところは何も問題が起きていない。…起きていない、というのは表面だけを見た結果の話であるが。
実際は、Aに近付きたいと下心のある連中をフロイドが睨んで怯ませて。
挨拶をしながらボディタッチを企む奴には、Aに触れる直前でジェイドが掴んで止め、ニコリと目が笑っていない笑顔を威圧と共にプレゼント。
モストロ・ラウンジで働きだしてからAの可愛さに惚れた男が告白しようとすれば、アズールはその男の弱みを使って脅していた。

ヴィルは「Aに手を出した馬鹿にはそれ相応のお仕置きをアタシが直々にするわ」と自身の寮生に新しい決まり事を作って牽制を図っていた。

水面下でアズール達はAに良くない事が起こる前に事を片していたのだ。
お陰でAは快適に学園生活を送る様に。
未だに慣れない事が多々あるが、なんとか頑張るAの姿を目の保養にしながらも四人はAの生活を守るために、日々奔走するのだった。



とある日の放課後。

今日もAは、モストロ・ラウンジで働いていた。
紳士の社交場であるこの場所は、基本的に良いお客さんの方が多い。なので、小柄なAが料理を乗せたお盆を運んでいれば、「頑張れ」と声援が。注文を取れば、「Aちゃんが可愛いからもっと頼むな」と可愛さで売り上げに貢献。忙しさでパタパタと走り回れば、「躓かないように」なんて心配の声も。お客さん達からしてみれば、1才2才だけの年下だろうが、同い年だろうが、完全に妹や娘を応援する兄やお父さんの気持ちだった。

Aから見ても、自分に無理に触れようともせず、優しく温かい言葉をくれる人達のお陰でモストロ・ラウンジで働くのが一種の楽しみと化していたのだ。


「随分と此処に慣れたみたいね?アンタが大丈夫そうで嬉しいわ」
「…ヴィルちゃん…!あ、いらっしゃいませ…お客様…!」

働くAの姿を見て、穏やかに笑うヴィル。Aもヴィルが来店したのが嬉しいようで、口角が上がっていた。Aはヴィルを空いている席に案内した後に、「ちょっと待ってて」と一言ヴィルに伝え終わると、小走りで厨房の方へ向かっていった。

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おひつじ(プロフ) - 百華夜さん» コメント有り難う御座います。今後の話で出す予定なので楽しみに待っていて下さいね!作者が社畜故、更新が遅いですが気長に待っていただけると嬉しいです…! (2022年11月30日 23時) (レス) id: cb4f368955 (このIDを非表示/違反報告)
百華夜 - 初コメ失礼します、この小説、スッごく面白くて好きです。あの方が誰なのか、ヴィルさんは何処で夢主と知り合ったのかが凄く気になります。更新、頑張って下さい、応援しています。 (2022年11月23日 16時) (レス) @page10 id: a48955bec9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おひつじ | 作成日時:2022年11月18日 12時

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