・ ページ14
授業終了を知らせるチャイムが鳴り響いた。
先生が終わりの挨拶を済ませて教室から出ていけば、クラスメイトの殆どが立ち上がる。
彼等がぞろぞろと教室を出るのを横目に、アズールは今日の授業を思い返していた。
・
最初は魔法史。
Aさんは半年も入学が遅れているのにも関わらず、出された問題を全部スラスラと解く姿が見えた。
答えを言う声色は少し震えていたように感じた為、発表は苦手なんだろうか？魔法史はトレイン先生の担当。もしかしたら先生の顔が怖くて…？と色々考えた。
その後の数学、魔法解析学、古代呪文語も魔法史の時と変わらず優秀だった。
僕が素直に褒めれば、「教えてもらったことを覚えてただけ…」と少し照れた様子で返されたため、Aさんの不意打ちで心臓が煩く鳴った。
「誰に教えてもらったんですか？」と僕が聞けば「…秘密」なんて人差し指を口に当てて言う。可愛すぎる…！！叫びたくなる衝動に駆られるが、我慢して咳だけに留めておく。
フロイドは気分が乗らないのか午前の授業全部寝ていた。僕一人で取り乱す羽目になって腹立つが、起きてたら起きてたで揶揄われるだけでどの道地獄でしかない。
「―――ル……アズ―… アズール？」
「…っ！ はい、何ですか？」
「ずっと呼んでたのに気付かないから…。もうお昼だよ…？」
――――いつの間に。
そういえば、クラスメイト達が教室を出ていくのを見た気が。あぁ、皆食堂に行ったのか。
周りを見渡せば、弁当を持参した方しか残っていない。「フロイドは何処に？」と聞けば廊下で待っているらしく、二人で教室から出た。
「はぁー。やっと来た。アズール声かけても反応ねーから置いていこうと思ったけどAが止めたからここで待ってたんだー！オレ偉くね？」
相変わらず僕に対して雑な所があるフロイドだが、Aの言葉には大人しく従うらしい。
フロイドの言葉にAも「フロイド偉い、良い子」なんて褒めて貰っていた。
「あは♡ 何かいい気分〜。でもジェイド待たせてるし早く行こうか」
遅いと席無くなるからジェイドに場所取りを任せた事を説明するフロイドとAを連れて食堂へ向かう。途中で通る教室の名前を教えながら歩けば、すぐに食堂に着いた。
先に来ていた生徒の数が多いせいで良く見えない。
僕よりも背の高いフロイドがグルリと食堂を見渡せば、ジェイドを見つけたようで「こっち〜」と言いながら進んでいく。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 89人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おひつじ(プロフ) - 百華夜さん» コメント有り難う御座います。今後の話で出す予定なので楽しみに待っていて下さいね！作者が社畜故、更新が遅いですが気長に待っていただけると嬉しいです…！ (2022年11月30日 23時) (
レス) id: cb4f368955 (このIDを非表示/違反報告)
百華夜 - 初コメ失礼します、この小説、スッごく面白くて好きです。あの方が誰なのか、ヴィルさんは何処で夢主と知り合ったのかが凄く気になります。更新、頑張って下さい、応援しています。 (2022年11月23日 16時) (レス) @page10 id: a48955bec9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おひつじ | 作成日時：2022年11月18日 12時
